久しぶりに昔の夢を見た。出てきたのは確か
・・・行方不明になったおじいちゃん。
夢の内容は、俺の5歳の誕生日だった。
「翔太。お前にはこれをあげよう。」
そう言っておじいちゃんは俺に何かを渡した。
何だったか分からなかったけど、手に収まるサイズだったことはわかった。
「絶対押してはいかんぞ・・・何故ならた・・「・・うた!しょ・・た!!翔太!!!」
「え?」
「『え?』じゃない。早く起きなさい!もう11:15よ!!」
夢と現実が混ざってよくわからなくなって何で母さんがここにいるんだ?なんて考えて自分の世界が分からなくなった。というか、何の夢みてたっけ?とりあえず、時間がヤバイみたいだから、母さんに生返事をしてベッドからおりた。
一階に下りると当たり前だがもうすでに家族みんな朝飯を食べ終わっていたみたいで俺の飯だけがテーブルに残されていた。ちょっとしまったと思いながら、飯を口に運ぶ。
「うわ。」
案の定、ご飯もみそ汁も、ちょっとしたおかずの目玉焼きも冷めていた。みそ汁にご飯をいれて、ねこまんますることにして丁度、卵の黄身も残されていたのでそれもぶち込んで口にかきこんだ。こんなことするの久し振りだなぁなんて思いながら。
あ。今、冬休み真っ最中です。
「ははっ!そりゃ災難だ。」
朝の話をした途端、目の前にいるヤツはそう言った。
「まー、まずくはなかったけどな。」
「ふーん。今度試そうかな。」
「好き好んでやることじゃないぜ。優志。」
そう。ヤツの名前は優志。今、一番仲良いと思われる友人であり、俺はこいつが好きだ。・・・あ。変な意味ではなくて。
「そうかー?」
「そうそう。てか、これヤバくね?」
「んー。そうでもなくね?」
「お前は見過ぎなんだよ。」
「それほどでも。」
褒めてねーよとか思いながら、目の前のモノに目が釘付けになる。俺たちが見ているのはいわゆるエロ本で、もちろん本屋で見ているのだけど、優志の家なので好きなだけ見れる。優志の部屋に持ち込むことだってできる。ただ、1つ問題なのが袋とじがあけられないことだ。
ここ、小一時間くらいずっと同じ場所にとどまって見ていたので、ちょっと肩が痛いなーなんて考えながらジッと眺める。
「あ!」
「ん?何かスゲーのあった?」
そう俺が言うと、優志が首を振ってあるものに指をさした。
「は?ピタ〇ラス〇ッチ?」
そこには、ピタ〇ラス〇ッチの本があって、横にはお馴染みの音楽と一緒にピタ〇ラ装置が動いている映像が流されたテレビがあった。
「うん!もうすぐ時間だなーって思って。」
俺がガクッと肩をさげると、優志は笑った。
「翔太も見る?」
「別にいーけど、お前ピタ〇ラス〇ッチ好きだったっけ?」
「昨日ハマった。」
「最近だなー。」
ニコニコしながら優志はエロ本を置いて、本屋の二階にある部屋に行こうとしたので、俺は慌ててついていった。
「おとーさんす〇っちの(おじーちゃんも可!)つくりかたー」
隣で楽しそうに、子どもとおじいちゃんの仲良さ気な風景を見ている優志を見て、テレビに向きなおす。
おじちゃんかー。今生きてるのかなー・・・・・。
おじいちゃん・・・すいっち・・・。ん・・・?何か引っかかる。何だった?・・・あ・・そうか!今日の夢だ。おじいちゃんの夢!誕生日で・・・プレゼントもらって・・・。プレゼント?プレゼントって何だっけ?
テレビの画面を見ると子どもが、箱で作ったスイッチを押していた。それにより、おじいちゃんは動き出す。
何か思い出せそうで、思い出せないもどかしさに苛立つ。それに気づいた優志が『どうした?』と聞いてきた。何となくその声で落ち着いて、俺は微笑して『何でもない』と言った。そこでアニメに変わった。
「あーあ。終わっちゃった。」
名残惜しそうに優志が言う。そんな声も耳に入らないくらい、俺は考え事をしていた。
そして、考えて考えてやっと見つけた。何で分からなかったのだろう。このプレゼントの答え。
それはズバリ、
スイッチだ。
... あとがき
やっと書いたものの、何だか微妙な話になりそうな予感がしてます・・・。
若干暗い話に見えるかもしれないですが、
はっきり、考えているオチはまったく暗くないですね。
むしろ、なんだよ。こんな結末かよ。
って思う人が多数だと思われます。
予測可能だったらいやだなーと思うので、
予測しないでネ。
がんばろっ。
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