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何故だ。
何故奴の声が美沙の携帯から聞こえるのだ。
「あ、ああ。私はまだ寝ぼけてるのね!だから私の体調不良の原因の奴の声が聞こえるんだわ!あ、成るほどね~!」
『おいい!夢じゃねえし!しかも文章おかしいし!』
「夢よ、ゆめゆめゆめゆめ・・・」
『リアルだよ!いい加減戻って来いよ!』
せっかく現実逃避したのに、奴によって戻された。ああ、うざい、鬱陶しい。
「・・・・・・」
『いきなり無言になるなよな』
「・・・・・・」
『無視か』
「・・・・・」
さあ、私は何を言われても返事しないわよ!
さあ、早く美沙に代わりなさい!・・・いや、携帯を美沙に返しなさい!
『・・・返事、しなくてもいいから、聞いてくれ』
「?」
『俺は、お前に冗談とか、からかいで告白したわけじゃない。本気なんだ』
・・・信じられるかよ。
私はやっぱり、返事を返さなかった。返す必要なんて、無い。
だけど、成瀬はそのまま続けた。
『お前は覚えてねぇかもしれないけど、俺らあん時初対面じゃないんだ』
・・・・・・はい?
いやいやいや、待て。待ちなさい君。
いつ?どこで会った?
君の勘違いじゃないのかい?私は全く覚えがありませんが。
『中3の時、松ぼっくり公園で俺らは会ってる』
中3・・・松ぼっくり公園・・・?
中3の時松ぼっくり公園なんか毎日のように通ってたんですけど。いろんなチビ達と戯れてたんですけど。いちいち覚えてなんかいませんよ、そりゃ。
『俺には弟がいる。名前は大樹。今小学校1年生。そしてお前は一緒に遊んだことがあるはずだ、あの公園で』
大樹?
大樹・・・だいき・・・
成瀬大樹?
「・・・・・・え!?あれあんたの弟だったの!?」
『ああ』
うわっ!
思わず口開いちゃったじゃんよ!
しかも大樹くんが成瀬の・・・・・・弟・・・・・・?
『俺が親に言われて公園まで迎えに行ったとき、お前が居た。会話もした。』
・・・あぁ。
そんなこともあったかもしれない。
・・・曖昧だけど。
『そのときの、片桐の顔がずっと忘れられなかった。それで高校の入学式のとき、偶然見つけて今に至るってわけだ』
「・・・・・・は?」
『おまっ・・・!言わせるのか!?俺にあの恥ずかしい台詞を言わせるのか!?』
「・・・・・・は?」
『要はっ・・・・・・!ひ、ひひ・・・・・・・・・・トメボレ・・・・・・・ってやつだ!!!!!』
ひひトメボレ?
なにそれ、おいしいの?
って・・・・・・・・・・・・・・・・
「はあああああああああああああああああ!?」
なにいっちゃてるのですか!?
頭大丈夫ですか!?
ちょ、恥ずかしい恥ずかしい!聞いてるこっちが恥ずかしいって!
『ととと、兎に角、そういう訳だっ!今日お前の家行くからな!((ブチッ』
「うおおおおい!?ちょっ!?」
あいつ勝手にブチりやがったぜ!?
聞きました?奥さん!?
しかも家に来る・・・だと!?
ふざけるなああああああああああああああ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ヘタレ」
「う・・・うるせぇ!」
言っちまった・・・
しかも電話で、あんな恥ずかしい・・・うああああ!!!!!
「恥ずかし~」
「うううううるせぇ!!!」
「でも、やっぱり久しぶり」
「・・・何が」
「小梅が男とまじめに会話してんの聞いたの」
「・・・?」
「理由は本人から聞いてよね。言うか知らないけど」
何だよ、それ。
「あの子、大変よ」
「・・・そんなの知ってる」
「あんたが思ってる以上に、穴は深いわよ」
「どういう・・・」
「はっ!」
こいつうううううううううううううう!!!
鼻で笑いやがったああああああ!!!!
よし、取り敢えず今日は片桐の家に・・・・
家に行って、確かめよう。