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人を、信じなくなりました。
どうして?
そんなの、分かりません。
答えになってないよ?
その答えが見つからないのです。
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『Hey、小梅・・・俺は...』
『ま...政宗...?』
『俺は、小梅が...』
『うん、なに?』
『小梅、.....早く起きなさ~い!』
What?
「えええええええぇぇ!?政宗さまいつからオカンキャラに位置を変えたの!?」
「小梅っ!早く起きないと遅刻するわよっ」
「なんだよっ!本物のオカンだよ!畜生夢オチかよっ!夢でもなんでも最後まで聞きたかったよ!!」
・・・冒頭から失礼。
どうやら、私は夢をみていたらしい。政宗さまの。愛しの政宗さまの。
「何時までも寝ぼけてないで早くリビングに降りてらっしゃい!(カンカンカンッ)」
「うっ煩いよお母さん!いい加減フライパンとお玉もって起こしに来るの止めて頂きたいよっ」
「あら、定番じゃないの。朝起こすのにフライパンと、お玉。」
「...くっ」
そうなのです。
私の母は、毎朝フライパンとお玉を持って、私を起こしに来る一風変わった人なのです。
だけど、ご近所では評判の美人。
私も認める別嬪さんなんです、こう見えても。
しかも愛想は最高にいい、ご近所付き合いも最高、料理も完璧。
自慢の母です、と言いたいが、フライパンとお玉がある時点でもうOUTだよっ!
...だけどやはり美人だ。
この間なんか、20代位の人に告白されてた、ってゆう。しかも道端で。
もう43なのに、だよ?
これ、初めてじゃないんだよ、しかも。
「もう、お母さん煩いんだけど」
あれ、何時の間に入ってきたの姉?
不法侵入かな、うん。
「小町!小梅がまた寝ぼけてるのよ」
「何時までも寝ぼけるな!早く朝ごはん食ようよ、お父さんも待ってるし」
姉、朝からクールだよ、氷点下だよ。
いや、氷点下以下だよ。全ての生物が活動を停止する温度まできてるよ。
と、ツッコミはこのくらいにして、姉の説明をしよう。
私の姉は、これでもか!って程 び じ ん。
母に似たのだろう。
目は大きくて鼻も高くておまけに頭も良いときた!
この才色兼備がモテないはずが無い。
振った男は数知れず。ストーカー被害も数知れず。家に押しかけられたことも数知れず。私が利用されたことも数知れず。
果てしない、果てしないよ姉。
っと。早く着替えなければ学校に遅刻してしまう。
「はいはいはい分かったから、今行くから、着替えるからbackして速やかに私の部屋から退散しろ」
「...人を妖怪みたいに。早く来なよ?」
「はいはいはい、悪霊退散!」
美人親子退散!
もう悪霊の域だよ、私にとって!敵だ、全ての可愛くない子の敵だ!(私限定のな!)
そして私はすばやく着替え、階段を下りて皆の待つリビングの扉を勢い良く開けた。
「Hey!Good Morning!」
政宗さまの口真似をしながら、ね。毎朝恒例ですから。
「煩い。もっと静かに入って来い」
「Oh...」
ジーザス。父。
ドスの聞いた低い声、オールバックの髪型、頬の傷、そして目つき。
まさに893!(ヤクザ)
しかも黒いスーツときた!
これじゃどこかの組長じゃあねぇか。
毎日思うけどさ。
そして、お父さんも美形の類に入る。
スッとした鼻、キリッとした目、低い声。
女の子の憧れだね、これは。
これまたご近所でも評判の美男子らしい。いや、私も認めよう。素直にかっこいいから。
この前なんか、女子高生(私と同じくらいの歳の子)に囲まれてたし。
私目撃したときビックリしたよ、リアルに。
だけど、お父さんはお母さん一筋(てゆーかゾッコン)だから相手にしてなかったけどね。
どうやってあんな美人の母をGetしたんだか、不思議だよ。
それは逆も言えることだけど。
ここまで言えば、もう分かるでしょう。
私の家族は美形一家!
だけど私は美形じゃないから、私を除き美形一家!
どうして私はこんななんだろうと、一時期本気で悩んだ。実は橋の下で拾われた子供ではないのかと、本気で思った。
だけど違った。ちゃんと生まれたときの写真があった。
いじめか?神のいじめか?これは。
「小梅!早く食べなさい!美沙ちゃんが迎えに来るわよっ」
「あ~!そうだった!いただきますっ」
私はガツガツ朝ごはんを食べ、指定カバンを持ってドアを勢い良く開けた、そして毎度の事ながらこけた。
「いった~!」
いつもはそこに、美沙が居て、『ばか梅。梅干になってしまえ』とか暴言をはかれるのに、今日は美沙はいなかった。
そのかわり、
「・・・ぷっ」
見知らぬ男の子が此方を見て噴出した。
え、あんた誰?
「......」
「早く立ったら?学校遅刻するぜ?」
「...あ、あぁ!」
唖然としてたら、そいつから話しかけられた。
私は素早く立ち上がり、飛んでいったカバンを持って握り締めて駆け出した。
足、痛いな。
「あなたも遅刻するよっ!」
そう言って私は美沙との待ち合わせ場所に急いだ。
まだ、その男の子がクスクス笑っていたが、気にしない!
気にしたら負けよ!
ちょっと、かっこよかったけどさぁ!
身長高くて...
.......。
いやいやいや、政宗さまには適わない!政宗さまに敵なし!!
そうこう考えているうちに、美沙が見えてきた。
「馬鹿梅。おそいはボケ。梅干になれ」
「すすすすんません!梅干にはなれません、残念ながら!」
「...ちっ」
「ちょっ!あからさまに嫌な顔しながら舌打ちしないでよっ」
美沙は中学の時からの親友で、学力もさほど変わらなかったという理由で同じ高校を受け、見事に合格した。
「てか宿題やった?」
「え?何の?」
「英語の予習」
「...What!?今日何日!?」
「11月1日」
「おー、じーざす...あ。」
11月1日って、あの日はもうすぐってこと、か。
「何?英語の宿題だけじゃなく教科書も忘れたって?」
「違うよ!そこまで頭いってないから!」
「...あ。」
「何?美沙も教科書忘れたオチ?」
「ちげーよ梅干。あんたのことだよ」
「あ、...察した?」
「察した。もうすぐでしょ?あんたがブルーになる日。」
「まぁ今年は知らないけど去年と一昨年はそうだったよね」
去年と一昨年、ってゆうか一昨年からなんだけど、毎年ってほど歳を重ねてないけど、その日だけはなんだか妙に元気が出ない。
理由は、一つ。
「裏切り記念日か。」
「やな響き~」
「いい加減忘れろよ、引きずり梅子!」
「名前間違ってる!梅子じゃなくて小梅!反対にしないでっ」
「どっちも梅が入っていることに変わりはないだろう、梅子」
「いやぁぁ!」
美沙は、こんな冷たい感じだけど実は人一倍他人を思ってる。特に私。親友だからね。
ブルーになる理由を知っているのも美沙だけ。
他の人には暈して言ってる。信用できないから。
美沙は長い付き合いで、自分的に絆も深い気がするから信用できる。
その辺のギャルとかとは大違いなのです。
他愛の無い会話をしている間に、私達はいつの間にか教室に辿り着いていた。
「そういえばさ、この学校のモテ男知ってる?」
「モテ男?」
モテ男・・・一番人気のある男子?
そんなの知るか。私は政宗さま一筋!
「そんなん知るか!私は政宗さま一筋だいっ!」
心の叫びをもろに言ってやったわ。してやったりよ!
「あー、はいはい。戦国武将はもういいから、ってゆうかもう亡き人だからね?うん?」
すごくあしらわれた。そして『痛い子』的な目で見られた。
くっそ・・・!いじりやがってこのドSめがっ!!
「てーかさ、お前ら教室入れば?なんでドアの前で喋ってるわけ?」
後ろから男の声がした。
不思議に思って振り返るとそこには、
「あ」
「よぉ」
今朝、私が玄関でこけたのを目撃し、『馬鹿を見た』みたいな目をして笑ったあんにゃろーが居た。
「あれ?あんたら知り合いなの?」
「・・・ううん。今朝私のことを馬鹿を見るような目で笑った野郎だよ」
「あれは傑作だったな!なんで玄関であんなに豪快にこけるんだよ!」
そういってこんにゃろーはまた笑った。
・・・かっこいいよ、うん。かっこいいけど、ムカつくなぁコイツ。
「梅子お前・・・また扱けたのか、ドジが」
「ドジって・・・!しかも梅子違う!こ う め !」
「へー、梅子っていうんだ?」
「・・・人の話聞いてた!?小梅だから、こ う め !」
「ぶっ!お前いじると面白い奴だな!!」
「んな・・・!?」
ちょ、聞きました?今コイツ、ドS発言ぶっかましたよ!?なに!?美佐と性質は一緒ですみたいなこの感じ!
「・・ばーか死ね!」
私はどっちに言ったか分からない暴言を吐いて、教室の中へ入っていった。
だからその後の美沙とあの変な奴の会話の内容を、私は知らない。
「おもしれー」
「・・・あんたさ、前から小梅のことちょこちょこ見に来てたよね。本人は気づいてないみたいだけど」
「・・・バレてた?」
「バレバレだから、君。」
「そーだよ。前から見てた。」
「一目ぼれ?」
「・・・そんな感じ。あいつは覚えてねぇみたいだけどな」
「そ。」
「冷てぇな!理由聞かねぇの?応援してくんねぇの?」
「・・・人の恋に関与するほど私は大人じゃないもんでね」
「なんだそりゃ」
「だけど」
「ん?」
「もし小梅を傷つけたら、許さない。あの子はああ見えて、いろんなもの抱えてるから」
「・・・いろんなもの?なんだ、それ」
「本人に聞けば?教えてくれないだろうけど。少なくとも、そんなに軽いものじゃない。むしろ重いよ。・・・じゃ、精々頑張れよ少年」
「・・・な、んだよ・・・」
私が教室に入って数分後、美沙も入ってきた。
「美沙さん、あんたあんにゃろーと何話してたの?」
「べっつに?あんたのこと面白いって言ってただけだよ」
「おもっ・・・!?初対面の奴に私の何が分かるんだ!」
「・・・・・・馬鹿が」
「あ!?」
「何でも」
変な美沙。
いつにもまして『馬鹿を見るような目』が鋭い気が・・・!
「小梅」
「何?」
「無理、しちゃだめだよ」
「ん?」
「・・・アンタに傷をつける奴が、居るかもしれないから」
「・・・考えすぎだよ!もう居ないよ、そんな人。だから私は男子を拒否してんだから!必要以上に喋らない、接触しないように!」
「・・・そう」
やっぱり、変だ。
あいつに何か言われたのかな、美沙?
いつもより私のこと心配してくれてる気がする。気のせいなのかな?
私がアレ以上に傷つくことが、まだ高校生なのにあるの?
そんなの、あってたまるか!幸い私は美形一家から外れて平凡顔なので、モテない。
救われた、とか痛いこと考えてます、私。
「小梅さ、もっと自覚したら?」
「何をだい?」
「あんたの家族、美形でしょ?」
「私以外ね?」
「・・・・・はぁ」
「なに!?」
「馬鹿梅。梅干になってしまえ」
「んなっ!?」
いつもの会話に戻った!
とりあえず、一安心?
だけど、何だこの胸騒ぎは。何かが、起こる気がする。
私か、それとも私の周りの人に・・・
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やっと更新!
テストがあったんで、ネタ考えてこうなった。
意味不明なところも満載、駄文万歳ぃ!
申し訳ござらん・・・orz
また三部作とか、それ以上とかになるかもしれないけど、どうか見捨てないであげて!
ごめんなさい、いろんな意味で謝ります!全力で!!
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