2日目の朝。
一番早く起きたのは俐羽だった。
俐羽は顔を洗いに立った。
そして次に起きたのは咲乃。
咲:「んー・・・・・ハラへったぁ。今何時?あれ?あれ?あれ?俐羽先輩がいなあ
い?!?!?!」
と周りをキョロキョロ見回す。
そうすると、川で顔を洗っている俐羽を発見し、ホッと肩をおろす。
咲:「今日の朝からおかし食べるんですか?」
と聞いてみる咲乃。
俐:「そんなわけはないだろう。朝からおかしなど・・・・・・栄養がとれないじゃないか」
咲:「・・・じゃ・・・どーすんですかぁ?」
まさか朝なし?!なーんて思ってみる咲乃さん。
俐:「奇跡的にカバンの中に、タマゴ、パン、レタス、ハムがなぜか入っていたんだ。
・・・どうせ<ひつじ>が入れたのであろうが」
咲:「へえ・・・・・・」
次に起きたのは美希。
美:「何②?何のはなしぃ?」
咲:「おはよー!」
美:「おはよー!」
とあいさつをした後、いろいろ美希に説明した。
咲:「だーかーらあ、俐羽先輩のかばんの中に、いろいろ入ってたの!!」
美:「・・・ああ、なるほどね・・・」
美希のこの言葉を聞くまでに咲乃は3回ほど説明をした。主語・述語がきちんとしていないと、彼女には理解してもらえない。
俐:「まあまあ。みんな起きてきたことだし、食べよう」
聡:「そうだね。さっさと食おう」
5人は声をそろえていただきますと言い、朝食を食べ始めた。
咲:「おいしいっ!!自然の中で食べるのってサイコー!!」
美:「外で食べるのってはじめて」
聡:「相沢さん、どうしたの」
優歌:「これって、私たち、消失したんだよね」
みんな:「・・・・・・・・」
優歌:「つまり、2週間後には、私たちの記憶が・・・」
俐:「大丈夫だ。現実の世界の誰かが消失事件が起こったことに気付くはずだ。生
徒会顧問の先生が何とかしてくれる」
優歌:「そうだといいのですが・・・」
美:「ちょっと待って。俐羽先輩、消失事件って1か月に1度でしたよね?」
俐:「そうだ!!それではおかしいぞ!きのうの朝、1年生の子が1人消失したはずだ」
皆:「・・・・・・・・」
もう誰も口を利こうとしないで、黙々と朝食をすませた。時は静かに、でも確実に流れていった。
咲:「こ、こ、こういうときはマンガだ~!・・・あれ?ない!なーいー!宇宙人マンガ
な~~い~!」
俐:「燃料としてあずかっておいたぞ」
咲:「えーっっ!かえして下さい~~!それ友人にかりたやつなんですぅ~!」
俐:「だめだ。友人にかりようが、ブタにかりようが、学校には不要物だからな!」
咲:「プゥー。あぁ、タツヤがこいしいよー。アイツ(兄)ちゃんとえさやってるかなあ?
散歩は?おやつは?あぁきになるぅー」
美:「そ、そういえば、親は気にしないのかなぁ?」
聡:「おれは家にいないし・・・・・」
俐:「うちもだ」
優歌:「おばあさまが・・・」
咲:「あっ、おにいとおかあがいる!」
美:「私も家族が・・・」
聡:「そんなこと考えてなかったなあ」
咲:「まぁ!(←?)あっあんなところにテラキノミが!」
優歌:「あぁ。あの猛毒の。バトルロワイヤルⅡで少女Iが食べちゃったやつ。でもな
いけど?」
咲:「みまちがいかあ」
些細なことだったが空気がなごやかになっていた。
俐:「そういえば、食べ物を採りに行かねばならん。山というものは日が短いからな」
聡:「そうでした。じゃあ行きましょうか」
美:「あっでもかたづけを・・・」
5人と2匹はかたづけを終わらせると、森へ入っていった。どんどん進んでいくが何も見つからない。しかも道が急になり、けわしくもなってきた。体力のある聡と咲乃(部活でランニングをやっているため)以外、けっこうくるしくなってきている。
聡:「もうそろそろ休憩を・・・」
俐:「そうだな・・・。休憩とするか」
みんな一息つく。
優斗:「うーん・・・。けっこうきつい」
優麻:「そうです。もうあるけないかもぉ~です」
優歌:「私がしょってあげる」
咲:「いや!私が持つよ」
聡:「おれも」
美:「それにしてもけわしいですね」
俐:「あぁ」
それからしばらくの時間がたっていた。山の頂上らしきものがみえてきていた。
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