Ⅱ.
私はしばらくその場に立ちすくんだ。何だろう?得体の知れないもやが心の片隅から徐々に広がってくる。周りを見るが、風景に変わりはない。誰もいない、静かな授業中の廊下。何も聞こえない・・・・風の音のほかはなにも・・・・何も聞こえない・・・・何も・・・
はっとして顔を上げた。もう一度耳を澄ます。廊下に風が吹き渡った。それ以外には――何一つ音がしなかった。私は今さっき出てきた教室の扉を開けた。
教室の中には誰ひとりいなかった。誰ひとり。・・・・みんな、跡形もなく消えていた。
その日世界が、静寂に包まれた。
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