しかし、夜になっても俐羽は戻ってこなかった。
聡:「やっぱり……やばいんじゃないのか?」
咲:「…・…だね」
優斗:「でも、今出歩くのは危険だ。俐羽を信じて待っておるんだ」
優歌:「ねえ、みんな!!俐羽先輩からメールが!!」
美:「えっ、本当!?てか、毎日メールチェックしてたんかいっ」
聡:「どれどれ……生徒会のみんなへ……」
そこにはこう書いてあった。
「生徒会のみんなへ
私は無事だ。心配するな。今朝のことをざっと書く。消失事件の資料になるので、
このメールは保存しておくように。では、顔を洗いに行ったことから話そう。
私が 川に顔を洗いに行くと、声がしたのだ。何と言っていたのかは聞きとれな
かった が、私は川に近付いた。すると水面に、私ではない人の顔がうつったの
だ。しばらく見ていると、だんだんとはっきりしてきた。生徒会顧問の先生だった。
驚いていると、先生は、一番大切なものを捨てなさい、と言った。私はいつのまに
か自分の髪を切っていた。すると水面が光った。
気づいたら、元の世界に戻っていた。というわけで、私は今、元の世界にいる。み
んなも戻ってこられるように、明日の朝、顧問の先生がやったのと同じことをやろ
うと思う。みんなも、同じ時間に今朝私がやったのと同じことをやってくれ。そのと
きの注意だが、水面に私の顔がうつってから30秒以内に大切なものを捨てろ。
でないと恐ろしいことになる。では、明日の朝8時にしよう。成功を祈る。
雑文ですまん。さらば。
生徒会長 船杉俐羽より 4/23」
美:「大切なモノ??何だろう。ってか、今日って23日なんだ!」
聡:「らしいな」
咲:「う~ん。捨てられるものなんてないよぉ」
美:「あるじゃん。宇宙人マンのマンガ。まだ燃やしてないよ」
咲:「だからあれは……!!でも……仕方がないか」
優歌は先ほどからボーッと優斗、優麻を見つめていた。
優斗:「まっまさか、わしらを捨てる気か!?」
優歌:「違う。優斗や優麻も何か捨てなきゃいけないのかなって」
優麻:「私たちも?ですぅ~」
聡:「う~ん……」
美しすぎる星空を見上げていると、いつのまにか、全員眠りについていた。
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