聡:「そうだ、会長。この生徒会の説明を」
俐:「おお、そうだった。では、まずこのプリントに目を通してくれ」
そう言うと俐羽は美希、咲乃、優歌に一枚ずつ紙を配った。そこには生徒会役員の仕事についてが書かれていた。
紙:「①生徒会行事の企画・準備・実行
②集会の司会・進行 」
咲:「これだけですか!?」
俐:「それだけだ。ただし、表向きの仕事は、だが」
美:「表向き、って、裏の仕事でもあるんですか?」
俐:「そのとおり。実は、その裏の仕事の方が重要なんだ。うん、これは、
リックス学園の教師にも秘密なんだ。たった一人、顧問を除いては」
優:「顧問?誰ですか、それは」
俐:「うーん、まあ、そえは、生徒会長の私だけが知っていればいいこと
だ。これを知っていると、何かと秘密が漏れやすいからな」
美:「誰にも言いません。約束します」
俐:「もちろん、みんなが秘密を漏らすなどとは思っていない。そうではな
くて、例えば、それが誰かを知ることで、その先生への接し方も微妙
に変わってくるのだ。だから漣君にも言っていない。優歌、美希、咲
乃はその先生と接する機会がとくに・・・いや、何でもない」
咲:「そうですか・・・。まあいいや。で、裏の仕事って何ですか?」
俐:「それはだな、このリックス学園で起きている消失事件を防ぐことだ」
3人:「消失事件!?」
聡:「うん。学園内では、1カ月に一度、何かが消失しているんだ」
咲:「消失って、例えばどんなものが?」
聡:「僕の担任の髪の毛、とかそういうくだらないものじゃないよ。確かに
消失はしてるけれど、1カ月に一度なんてもんじゃない。1日、いや,
1時間に20・・・」
俐:「
漣!!」
聡:「・・・スンマヘン。えっと、場合によっては人間も消失するんだ。そし
て、消失した人は2週間後に戻ってくる」
美:「それなら、別にいいんじゃ・・・?」
聡:「ところが、その人は、過去1年間の記憶を失っているんだよ。あと、
物が消失した場合、それは二度と戻ってこない」
咲:「・・・えっ」
美:「それ、むちゃくちゃ怖いですよ」
優:「この学園に、そんな事件が起きていたなんて・・・」
俐:「仕事は、明日から始まる。とりあえずは私の指示に従ってくれればい
い。今日はこれで解散だ。・・・と、その前に。過去の事件の資料を渡し
ておく。参考までに、読んでおいてくれ。」
そういうと俐羽は3人に分厚い資料を手渡した。
俐:「まあ、お互いにがんばろう」
こうして、その日の生徒会は終了したのだった。
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