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只今、AM7:40。多分俺は、すごく嫌な顔をしていると思う。
その理由はただ一つ。靖和都が嘘を吐いたからだ。まぁ、昨日の俺の発言の反応からして、この結果になることは分かっていた。だが、いざそれを目にすると、心が痛む。
目の前では紗佳乃と靖和都が仲良さ気に歩いていた。
俺の片思いは実ることは無い。俺だけが知ってる、l禁断の恋に入る隙間は無いのだ。でも、あいつらは血が繋がっている。だから、もしかしたら・・・。と思う自分がいるのには無理はない。
そう、俺はこのときまだ、あいつらの本当の事実を知らなかったんだ。
学校に着くと、仲のいい友達と話している紗佳乃を見つけた。昨日よりも断然元気で、それは俺のお陰ではなく、靖和都のお陰だろう。そう思うと悲しくなる。俺は紗佳乃に何かしてやることが出来ない。むしろ困らせてばかりだ。この感情を抱いていることでさえも、迷惑でしかない。
「かずやーー!!」
声の聞こえるほうに顔を向けると、靖和都が立っていた。
「何だよ。」
ちょっと、キレ気味の口調で言うと、靖和都は不安げな顔をして手招きした。
「帰りだけ紗佳乃と帰ってあげてくんないか?」
靖和都は、『帰りだけ』を主張して言った。
「何で?」
「一人で帰らせると何かとな・・・。世の中物騒だし。」
「このシスコンが!」
「なっ!シスコンじゃねぇよ!・・・俺は・・・ただ。」
「分かってるよ。・・・それでいいのか?」
「あぁ。今はやらなきゃいけねぇことがあるから。」
「ふーん。じゃあな。」
「おうっ!ありがとな!」
いや?お礼を言われることじゃないぜ?だって俺は死ぬほど嬉しいんだから。靖和都だって分かってるはずだ。なのに・・なんで?そんなに俺を信用しているとは思えない。
「なぁ。何でだ?」
「あ?何が。」
「何で俺に頼むんだよ。」
「特に理由は無い。ただ、何となくだよ。」
「・・・。」
もっと意味が分からなくなったが、深く考えないことにした。
チャイムの音が鳴り、みんなと一緒に席に着くと、隣の席の紗佳乃が俺をガン見してきた。
「何だよ?」
「別に。何かキモイ顔してるからさ。」
それはニヤケ顔だ。
「ほっとけ。」
多分、一日・・いや。夏休みまでずっとこの顔をしているかもしれない。
今日の授業はやはり長く感じられた。2人きりの放課後が待ち遠しくて。何かすごくキモイ奴みたいだけど、恋って言うのはこういうものなのだ。
授業後になった今、俺は勇気を振り絞って紗佳乃のほうを向いた。
「紗佳乃。」
「あぁ。一緒に帰るんだっけ?」
「え?知ってんのか?」
「だって靖和都に聞いたもん。」
「ははーん。靖和都の言うことは聞くってわけね。まぁいいや。行くぞ。」
「はいはい。」
帰り道は特に変わったことは無くて、正直がっかりだった。途中までは。
いつもボーっとしている紗佳乃は、たまに何も無いところでつまずく。今回もつまずいたのだが、もう片方の足が追いつかなくて転びそうになった。そこで、俺は救いの手を差し伸べて、紗佳乃を自分の胸の中にしまった。その、シチュエーションがあまりにロマンチック過ぎた。だからだ。あんな過ちをしてしまったのは。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「あ・・ごめん。」
そう紗佳乃は言って、俺から離れようとした。が、俺はそれを阻止して言ってしまった。
「好きだ・・・。」
と。
あとがき
ノォーッ!こんなはずじゃなかった!
まぁいいさ。更新したんだから。
即興で考えた物語。
ちょーグダグダ。
こんな文でも読んでくださったかた。
ありがとうございます。
次どんなのにしよーかな?
只今4:00。朝に弱い体と格闘中。さっきまで鳴っていた目覚まし時計の音で、家族が起きていないかすごく不安だ。
「ん~!」
やっとベッドから降り、部屋の明りを付け慣れてない明るさに目を窄める。クローゼットから服を取り出し着替えると、電気を消し部屋から出て行った。
家を出ると、日中とは違って少し涼しい空気が漂っていた。一つ深呼吸をし、目的の場所へ向かう。その目的の場所からは、光が放たれていて薄暗いこの時間の町では浮きだって見える。
「おはようございます。」
「おぉ!よく来たな!靖和都くん。」
「今日からよろしくお願いします。」
「いーよ、いーよ!そんな挨拶!俺も靖和都くんの両親にはお世話になってるんだからよ!」
「はい・・。」
この威勢のいいおじさんは新聞屋の社長的存在の松井さんだ。
「じゃあ昨日言ったとおりだから。」
「分かりました。」
俺は、今日から新聞配達を手伝うことにした。もちろん金を稼ぐために。理由は、紗佳乃への誕生日プレゼントを買うため。
俺たちは、来月16歳の誕生日を迎える。それで紗佳乃は、漫画の影響で『16歳の誕生日に赤いチュイーリップの花束がほしい』と言い出したのだ。花束は意外に高い。そう言われたのは1週間前で、俺の使いすぎたお小遣いの余りでは、到底足りないのだ。そこで、考えた結果、バイトをやろうということになった。
登下校できなくて紗佳乃はショックを受けていたかも知れないが、彼女のためなのだから、仕方がないだろう。多分。
配達途中、ふと昨日の出来事を思い出した。
「ただいま。」
帰りが遅かった紗佳乃を玄関で迎えると、隣には和也が居た。
そこまで心配する時間ではなかったが、ここまで遅く帰ってきたことがなかったから、心配になった。そこで帰ってきた紗佳乃の隣には、和也。そのことによりもっと心配になった。
和也は俺の親友だ。俺のことを他の誰よりも理解してくれていると思う。だが、紗佳乃のことになったら別だ。俺だからわかる。和也は紗佳乃のことが好きだ。
和也を外に呼んで、聞いてみた。
「何してたんだ?」
何か独占欲強い奴みたいで自分に嫌気がさしたが(ある意味シスコン)、こうするしかない。
「居残りさせられてたんだよ。」
「もしかして・・笹井?」
「そうそう。紗佳乃のお陰で足腰痛いぜ。」
「ご愁傷さまだな。・・で。何の居残り?」
「資料室でプリント整理だよ。」
・・・・・・・。まさか。
「それって・・」
「まさかの2人きり。ご愁傷さまだな。靖和都。」
「何も・・なかったよな?」
「なかったとはいえねぇな。じゃあまた明日な。」
「ちょっ!何だよそれっ!」
「あ。そういえば明日から紗佳乃と一緒に登下校しないんだって?じゃあ俺が一緒に行こうかな?」
「だっ駄目だ!」
「しーらんぺ。」
そういい残して和也は自分の家に帰っていった。
「くそぉ・・・。」
自分ながら馬鹿なことをしたと思った。
登校できない理由は、二度寝したくて、遅く学校をでようと思ったからだ。そして、下校できない理由はバイトを入れたから。
「はぁ・・・。」
俺がいない間、和也に取られちゃ意味ねぇじゃんか。ぐだぐだ考えているうちに、最後の家をまわり終えた。松井さんに終了を告げると、家に帰った。
気付かれないように部屋に戻り、ベッドに身を委ねてため息をつく。もう覚めきってしまった目では、二度寝を出来ないことに気付き、嘲笑をした。俺は空回りしてばっかだな。それをいつも止めてくれたのが、紗佳乃だったのかも知れない。
「靖和都。」
体がビクついた。誰とも間違えるはずがない、紗佳乃が俺を呼んだから。
体を起きあげ、紗佳乃のほうをに体を向け、ベッドに座った。
「紗佳乃・・。どうした?」
少し、心臓が高鳴ってるのを感じる。
「靖和都こそ。4:00に起きて何してたの?」
「知ってたのか。」
「そりゃあ。姉弟だし。わかるんだよ。」
その『きょうだい』という言葉にグサッときた。
「嘘だよ。靖和都の目覚ましの音が大きいだけ。あ・・でも、お母さんたちには聞こえてないと思う。」
「そっか。」
『嘘だよ』と言ってくれたことが俺には嬉しかった。俺たちは姉弟じゃないと言ってくれたみたいで。
「で?何してたの。」
「ジョギング・・だよ。」
嘘を吐いた。でも、今バレてしまっては困るのだ。
紗佳乃は、それを疑う様子も無く、『そっか』と言って、俺の首筋を撫でた。それによって、俺の顔は一気に熱くなった。
「ホントだ。汗かいてる。」
紗佳乃にとっては何でもない行動なのだろうけど、俺にとっては心臓が危なくなる行動だ。
ゴチャゴチャ頭の中で考えていると、膝に乗っけてた手に何か冷たいものを感じた。見上げると、眉間に皺を寄せて、泣いている紗佳乃の顔。
「ど・・どうした?」
「どうして、登下校できないの?」
「え。」
「私、何かした?嫌なこと言っちゃった?」
「違うよ。」
ある意味そうだけど。
「紗佳乃は悪くない。それに、ずっとじゃないから。」
「え?」
「一ヶ月だけだから。な?それだったらいいだろ?」
「うん。」
「それに、夏休みかぶってるから後ちょっとしか学校いかねぇし。」
「そっか・・。よかった。」
何でそんなに嬉しがるのだろう。期待しちまうじゃねぇか。
「そんなに嬉しいか?」
「うん。そりゃあね!だって靖和都のこと・・(あっヤバ)」
「・・・・・?」
「大事だし。ね。」
・・・好き・・とか言ってくれるわけねぇよな。
『ガタっ』
下から物音がした。
母さん起きたのか・・。
「紗佳乃。部屋に戻れ。」
「え・・あ、うん。」
「あ。あと、登校は出来る、かも。」
「うん!」
こうして、紗佳乃は部屋から出て行った。笑顔と喪失感を残して。
あとがき
何か更新しすぎですよね。
でも、早く書かないとどんなストーリーを考えていたか忘れるんですよ。
大目にみてください。(更新しすぎたことと、グダグダな文を)
今回は靖和都視点で書きました。
わかります・・よね?
では。この辺で。
只今、午前7:43。ちょうど学校登校中。学校に近づくにつれ黄色い声が増えていっているように感じられます。
その理由は私の隣にいる弟、橘 靖和都(たちばな さかと)にある。靖和都は現代で言う、『イケメン』らしく、モテモテなのだ。しかし困ったことにこいつは鈍感。キャーキャー騒いでいる女の子たちの気持ちなんか気付いちゃいない。
ちなみに言うと、私の名前は橘 紗佳乃。靖和都とは双子だ。しかし、血は繋がっていない。何故なら、靖和都はいわゆる『捨て子』だからだ。
「紗佳乃?どうしたんだ?ボーっとして。」
「いや・・別に?」
私はいえない。靖和都に、何があっても。自分が、周りで騒いでいる子たちと同じ『想い』を募らせているということを。
学校に着くと、今度はコショコショ話。
「橘くんの隣にいる人ってだれぇ?」
「双子の姉ちゃんだって。」
「あ~だからかぁ。似てるの。」
耳打ちしてたって聞こえてるっつーの!と心で突っ込みながら、心にたまるモヤモヤ。血が繋がってないのに、顔も血液型も誕生日も同じなんて、誰も私たちが姉弟じゃないなんて疑うことなんてない。内心ホッとしながら傷ついてる自分がいる。だって、靖和都にも、そう思われているのだから。
隣の顔をちらりと窺う。何を考えているか、少し険しい顔がそこにはあった。
「靖和都?」
「紗佳乃・・俺さ。」
「ん?」
「今日から一緒に帰れない。朝もちょっと遅く出るから先に行っててくれ。」
実際、高校3年にもなって姉弟で一緒に登下校なんてありえないのだけど、私にとってこれは靖和都といれる唯一の時間であって特権でもある。それがなくなるなんて・・嫌だ。
「何で!?私といるの嫌になった?!」
「違うよ。ちょっと用事ができたんだ。」
「うそ・・。」
「うそじゃない・・。」
「何で!!」
靖和都は私の顔を見て、少し間をおき、ボソッと小さい声で呟いた。
「・・・・・ったのにな。」
聞こえたのはそれだけだった。
「え?」
と言っても再び、その言葉を言ってはくれず、さっさと自分の教室に入って行ってしまった。そこで、もうすでに自分たちの教室がある階に着いていることに気付いた。
「紗佳乃・・・テンション低い低い。」
「分かってるよ。」
「だったらさ・・・せっかくのプールの自由時間くらいはしゃげよ。」
「そういうゆーちゃんだってテンション低いじゃん。」
「私はこれが普通だろ。」
「そうだったね。」
私たちの周りには、ぐわんぐわんするくらい、大量のセミが鳴いている。熱い熱い季節なのだ。このド田舎の中にある、田栄高等学校の周りには、セミの抜け殻がそこらじゅうにへばりついている。こういうのを風情と言うのだろうか。それにしては五月蝿すぎる。
ビート板にあごを乗せ、ついでに腕も乗っける。水の上に浮かんで不安定にゆれるビート板に身を委ねた。意外と沈まないのだと感心しながらボーっとする。
『・・・・・ったのにな』。突然頭に浮かんだ靖和都の言葉。ちゃんと耳を凝らして(とは言わないけど)聞いとけばよかったと後悔する。何でこんなに執着してるのか分からない。けどなんとなく、重要なような気がしたのだ。
「そーいえばさぁ。」
「うん?」
「何であんたら姉弟の名前の漢字違うの。」
「え。」
そういえば、誰にも言ってなかった。その理由。
「産みの親も、名付け親も違うんです。」
なんて言えないしなぁ。うーん・・・・・あっ!そうだ!
「親が、男の子だったら靖和都の漢字で、女の子だったら私の漢字にしようって決めてて・・えーっと、二人とも生まれてきたから?」
「あぁ。確かにあんたの漢字は女の子っぽいもんなぁ。」
「そういうことっっ!」
納得してくれたのか、ゆーちゃんはその後、その話をしなかった。嘘をついた罪悪感が、チクリと胸を痛ませた。
靖和都が捨てられていたのは、家の前。私たちが生後五ヶ月のときだ。靖和都はかごの中に置手紙と一緒に入っていたらしい。手紙には、
「拾ってください。名前は靖和都(さかと)です。誕生日は・・」
といろいろなことが書かれていたらしい。両親は名前が似ていることに運命を感じたらしく、すんなりとその『捨て子』を拾ってしまった。まぁ、この話は両親に聞いたので、事実かどうかは分からない。だが、私は何でその時、靖和都の実の親は子供をすてたのかと怒りが立ち込めてくる。姉弟じゃなくてすんだのに・・。出会わなくてすんだのに・・。
チャイムが鳴る前に、プールから出され体操をし、目を洗って更衣室で着替える。まぁ、着替える前に地獄のシャワーを浴びなければならないのだが・・・。そのシャワーの水は夏だとしても冷たく、浴びるのを拒否したくなる。だが、体を洗わないというのも嫌なので、皆しぶしぶ入ってるのだ。
「キャー!!」
セミにも劣らぬ声で一部の女子が騒ぎ立てる。水が冷たいからだ。私はその女子の一部には属しておらず、声を出すのを我慢する。だから
「うるせーなー。」
という男子の気持ちがわかる。多分、私はモテない人生を歩む一人なのだろうとつくづく思ってしまうこのごろ。
靖和都はあの女子たちのような子が好きなのかな。ふと思った。だったら、私を見てくれるなんてことはまずありえない。・・ってか姉弟だからってのが先か。何でキョウダイは恋をしては駄目なのだろう。皆同じ人間なのに。
「橘~。まだぁ?」
男子から呼びかけられ、皆すでに更衣室に入っていたことに気付いた。
今朝からボーっとしっぱなしだなぁ。と思いながら、シャワーを出た。
「ゴメンゴメン。」
と男子に言い残して。ちなみに水泳は男女混合である。