小説や詩を載せるブログです。基本的にはリックス学園の小説ですが、それぞれが“100のお題”についても書いているので、お時間があれば覗いてみてください。 E.M.W.という企画もやっています。 雑談もあります。
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
Shafy Mile
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/12/24
職業:
学生
趣味:
物書き
自己紹介:
私たちShafy Mileは5人組みの素人小説家(?)です!
ではそれぞれの自己紹介いきましょう~!!

飴夜(いよ):絵を描くことが大好きでよくみんなからは「黒い」といわれてしまうが、自分では純白だと思っている奴~★
担当:絵(のちのち載せていきますよぉ)

沙鞍(さくら):いつも踊ってる陽気な奴~☆
担当:絵(のちのち載せます)と恋文

魅世(みよ):頭が良くて、いつもおしとや~かな奴♪
担当:文章(感動系ほかいろいろ)
 
志李奈(しいな):沙鞍と一緒にいつも踊ってるぶりっこな二重(多重)人格な奴☆(小説は黒いけど)
担当:ストーリーの構成&詩

寿(ことぶき):頭が良いのか分からない、変態な奴。
担当:文と企画。
Newコメント
[03/09 志李奈]
[03/09 魅世]
[03/08 寿]
旅立ち
上が志李奈の日記。 下が寿の家族の劇団のHP。
学園S内検索
バーコード
来てくださった人達
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あー!そこそこ振って早く剣振って!そうそう!そこをザクッと!よっしゃー勝ったよ!ランク上がるかなぁ?
 今私はとてもどきどきしている。・・・でもこんなどきどきがほしいんじゃなーーーーーい!
「こらっ!珠美亜(すみあ)、またゲームばっかりしてー。勉強少しでいいからしなさい!」
「はーいはい。」
 まただよ。いつも言う言葉がワンパターンだってーの。お母さんは皆そんなもんなのだろうか。まっ興味ないけど。
 学校は・・・はっきり言ってつまらない。なぜかというと恋をしていないから。私は『ゲームに恋をしているわ』なーんてくだらなく淋しいことなんか言わない。うー!ゲームじゃなくて現実でどきどきしたい!
 
 次の日、私は学校へ向かった。へぼな男子しかいない学校へ。実際、私はへぼじゃないとは言えないけど。
「おはよー!珠美亜、いつもどうり不機嫌だねぇ。」
「あぁ麻香(まか)。おはよー。まぁ、朝だけはね苦手なのよ。・・・あーあ。転校生でも来ないかなぁ。男で!私のタイプの人じゃなきゃ嫌だけどねぇ。・・・まぁ今の時期来ない確率のほうが高いけどね。」
「毎朝それだね。まぁ確かにってな感じだなぁ。うちの男子レベル低いもんなぁ。それに・・・今は3月だもんね。」
 私はわざとらしくため息をついた。そして口を開く。
「麻香には他校の彼氏がいるじゃん。いいよね。出会いがあって。」
「珠美亜も塾はいればいいのに。」
「嫌だよ。勉強したくないもん。」
 まぁ自分から出会いを避けているもんだけど。でも、勉強するくらいなら、出会いなんて要らない。麻香は『そっか・・・』というと、違う話に切り替えた。私達は笑いながら登校をした。
「よぉ!珠美亜。」
「おはよー。奈津姫(なつき)。」
 奈津姫はなぜかワクワクしているようだった。なぜなのか聞こうと思ったのだが・・・。
「なぁ、聞いたか?今日転校生来るって噂があるんだってよ!ホントかどうかはわかんないけどよ。珠美亜にとっちゃ嬉しい知らせだろ?」
「まぁ・・・。そうだけど、噂でしょ?信じないほうがいいよ。多分。もし来たときそのほうが喜びも大きくなるし。」
 奈津姫は少し肩を落とす。だとしても、すぐに立ち直るのが奈津姫のいいところだと思う。逆に困るときもあるが・・・。
 チャイムが鳴る。一斉に生徒が座りだす。先生はちょうどに来るはずもなく、席に座りながら近くにいる友人と話す。それが日常ってなもんだ。
 やっとというように、担任が入ってくる。背が高くがっしりとした、どこかのプロレスラーのように思わせるその担任は少し御機嫌な様子で教卓の前に来る。それを見て、一人の男子が、
「ジャイアン何でそんなにご機嫌なんだよ。」
 あっ。ちなみにジャイアンというのは担任のことだ。
「ジャイアンと呼ぶなと言っただろう。ジャイアン先生と呼べ!そうそう、ご機嫌の理由はな・・・秘密だ。」
 ・・・まったく意味不明な担任だ。
 ふと、窓からの風が強くなる。カーテンがその勢いで開かれた。その窓から人が出てきた。その人は教室に入ってくると、
「水谷喘汰(みずたにぜんた)参上!転校生でーす!イエーイ!」
「おっかっこいいなぁ。水谷。まぁもうすぐ授業始まるからよ、席に着け。曽木山(そきやま)の隣あいてるよな?机廊下に置いといたから水谷とりに行け。」
 曽木山というのは私のことだ。
 廊下から戻ってきた水谷という男子は、私の横に来た。挨拶ぐらいはしたほうがいいだろう。
「私の名前は曽木山珠美亜。よろしく。」
「よろしく。・・・曽木山って」
 ・・・いきなり呼び捨てですか。
「何?」
「可愛いな!付き合ってくれん?一目惚れしたわ。」
 こっこいつ苦手だ。
「無理。水谷君のことよく知らんから。」
「ってか、喘汰でいいよ♪それにこれから分かるって!俺のこと。あっ珠美亜って呼んでいい?呼ばせてもらうわ!」
 うっ。もろ苦手だ。
「・・・水谷。お前つくづくかっこいいなぁ!ジャイアン感動したぞ!」
 拍手がまきおこる。中には、『頑張って』なんていう奴もいた。
「頑張るわ俺!」
「その調子だ!みんな応援しよう!」
「おーっ!」
 何のこっちゃ・・・。
 一時間目の授業が終わって、一息つく。すると麻香と奈津姫がやってきた。
「珠美亜、モテモテじゃん!ちょうどいいんじゃない?転校生来てほしいって言ってたじゃん!」
「・・・私よりも背ぇ低いもん。」
「ってか、性格も苦手タイプだろ?俺には分かる。」
 分かってくれるのはいいけど、男言葉使いはやめてほしい。男か女か分からない。
「まぁね。でも、初対面での告白をOKするほど私は軽くないよ。」
 2人とも頷く。・・・2人は水谷の応援をするのだろうか?実際に聞いてみたところ、
「えっ?私は『おーっ!』って言っちゃったけど・・・。」
「俺も。」
 マジですかー!!!そりゃ無いよ、2人とも!
「ありがとう!」
 後ろから声が聞こえた。振り向くと、水谷が立っていた。
「・・・はい?」
「いやぁ。応援してもらえると嬉しいわ。キミたち何て名前?」
 やっぱり軽いよこの男。
「井伊奈津姫だぜ。よろしく!」
「私は新井麻香。よろしくね。」
 ・・・2人とも。
「うーん!水谷君ていい子だね。珠美亜ー。付き合っちゃえば?」
 帰り道にそんな話をした。ちなみに私は帰宅部。麻香もだ。奈津姫は水泳部で朝練もある。だから、行きも帰りも麻香と一緒・・・だったのに。
「そう?俺いい子?」
 なぜか水谷がいる。毛嫌いするのはいけないのだけど・・・
「私、本屋よって行くわ。 2人で帰ってて。」
「わーん!珠美亜冷たいー!」
 無視だ無視!こんな奴に愛情注いでも意味なし!はぁ、運悪いなぁ。転校生が来たはいいものの、こんなやつじゃなぁ。
 なぜか麻香も奈津姫も気に入ってるし・・・。はぁ。
 家に帰ると・・・水谷が。・・・何で?何で家に水谷が居るの?
「いやぁ。珠美亜に言ってなかったっけか?親戚が家に来るって。」
「言ってない!・・・って親戚?」
「うん。はとこだよ。」
 はとこ?マジで?血ぃつながってんの?
「ってことだから。仲良くしてやってくれ。喘汰くん。」
「はい!」
 最悪だぁ・・・。
 
「あれ?何で水谷君と珠美亜が一緒に居るの?」
 言えない!絶対に言えない!水谷と私が同じ屋根の下に住んでいるなんてー!
「いやぁ・・・ははは。水谷!絶対に一緒に住んでること言っちゃだめだからねぇ!
「・・・喘汰でいいのに。」
 ふう。やっと学校に着いた。こっからも地獄だけどね・・・。
「よぉ!珠美亜。なぁなぁ!今日体育男子と合同だってよ!寺辻が言ってた!」
 ちなみに寺辻とは体育の先生のことだ。そして水泳部の顧問でもある。
「へぇ。何やるの?」
「バスケだってさ!」
 おっ?ラッキー!バスケ好きなんだよねぇ!
「何時間目?」
「一時間目。ふふふ。珠美亜が喜ぶジャンルでしょ?」
 私はニコッと笑う。そして『まぁね』といった。
「・・・珠美亜の笑った顔可愛い!もう一回!」
 うっ!なんかこうも言われると・・・てっ照れる。
「あーっ!珠美亜が照れてる!」
「ホント珍しい。ここで一枚!写真を撮りましょう。はいっチーズ!」
 『カシャッ』っと音が鳴る。・・・そんな珍しいの。
「そんな珍しいの?」
 と水谷が言った。
「あぁめったに無いぞ。麻香いいもの撮ったな!」
「んだね。」
 ・・・あぁ。面倒になってきた。・・・不覚にも照れてしまった。
 チャイムが鳴り、ジャイアンが来て、朝の会やって、男子と先生が出て行ったところで着替えて、体育館に向かった。そこには男子がズラリ。と言っても並んでいるわけではないが・・・。
 寺辻が体育館に入ってきた。さぁ!バスケの始まりだ!チーム構成は男女混合となった。分け方は男女それぞれ好きな人と組んで、適当に番号をつけ、番号が同じ人たちと組むと言うごく普通のものだった。
「あーあ。珠美亜と離れちゃったよ。」
「残念だね、水谷君。」
「本当に好きなんだな、珠美亜のこと。」
 私的にはどうでもいい。水谷のことなんか。
「そこっ。喋ってないで試合始めるぞ!」
「はーい!」
 ・・・試合開始っ!思わずにやけてしまう私に笑いかける水谷。・・・見られた。
 一回戦、まぁ楽勝で勝った。次は審判をしなくてはならなかった。しかも、水谷のチーム。ずっと見ていなきゃいけない。試合を見るのは好きだからいいか。
「BチームとCチームの試合を始めます!礼!」
「お願いしまーす!」
 ジャンプボールで始まった。あっ水谷が取った。えっ・・・。水谷超上手いじゃんか!
 水谷のチームが26点。相手のチームが0点で試合終了。高校でこんな試合見た事が無い。
「俺、将来バスケのプロになるつもり!だよ。」
「マジ?俺応援するぜ!」
「私も!」
 この2人・・・。水谷を応援しすぎ!・・・淋しいなぁ。
「曽木山さんたち次試合だよ!」
「どこと?」
「水谷君たちのチームと。」
 さいですか。・・・今回は油断できないな。
「BチームとDチームの試合を始めます。礼!」
「お願いします!」
 ジャンプボールはとった。ここからが勝負だ!雑魚はぬけれる。だが、目の前に水谷が来ると危ない。
「奈津姫!水谷マークして!」
「OK!」
 これで何とか一点(二点)。・・・水谷相手に何興奮してるのよ!
 それから、点数の取り合い。結構水谷も本気みたいだ。5分間の短い試合。24対22で私たちの勝ち!・・・もしかして手抜きした?
「ねぇ。水谷!」
 呼び止めた。真正面から見た水谷はふくれっつらだった。
「・・・負けた。」
 私はふきだした。あぁ本気だったんだ。
「ショックなの?」
「うん・・・。たとえ珠美亜でも負けるのはショックだよ。」
 ・・・一応確かめておこう。
「手抜きしてないよね?」
「・・・当たり前だろ!バスケで手抜きなんかするもんか!」
 ということは・・・よっしゃー!勝った勝った♪気分が乗ってきた。ふんふんふーん♪やっぱりバスケは楽しいなぁ。この学校に女子バスケ部が無いのが惜しい。
 これで体育の授業は幕を閉じた。最高の気分と一緒に。
「珠美亜・・・。喜びすぎじゃない?」
「そうそう。水谷が可哀そうだろ?」
 ・・・また水谷をかばって。でもちょっとかわいそうかな?謝っておこう。
「ゴメン。水谷。浮かれすぎた。ホントゴメン!」
 下を向いていた水谷がすっと顔を上げる。ビックリした・・・。
「俺、珠美亜より強くなるよ。」
 それだけ言って帰ってしまった。といっても、すべての授業が終わっていて、教室には数えるほどの人数しか居なかった。
「・・・珠美亜あんなに頑張ってるんだし、受け入れてもいいんじゃない?」
 無理だと思うな。
 水谷が帰ってきたのは9:00だった。めちゃんこ遅いってわけじゃないけど、母と父は心配していた。
「何も無かった?」
 何も、というのはヤンキーに絡まれるなどというようなものだろう。
「はい。すみません。心配かけて。」
「いや。良いんだよ。キミさえ無事であれば。」
「いえ。すみません。」
 それで会話が終わったのだが・・・。どうも水谷の表情が気になる。私は気になったまま眠った。
 
「どっどうしたの?!隈できてるよ!」
「いやぁ・・・。寝不足で。」
 水谷おいて行っちゃったけど・・・良いよね。
「おいっ!珠美亜、隈できてるけど、どうかしたのか?」
 みんなそう言うんだ。嬉しいけど何だか・・・苦しい。
 ふと、めまいがした。私保健委員なのに、誰かに連れて行ってもらってちゃ・・・駄目じゃない。
 水谷が教室に入ってきた。こんな顔見せたら心配する・・・。私はすばやく目を逸らした。それを、水谷はどう思っていたかは分からない。
 チャイムが鳴って、いつものようにジャイアンが来た。明日は休み。ゆっくり休もう。
 今日の授業もジャイアンの話も何もかも長く感じた。休みたいという気が強いからだろう。
「珠美亜?やっぱ眠い?保健室行ったほうがいいんじゃない?」
「ううん。大丈夫だよ。」
 体は丈夫なほうだし、あと一時間授業があるだけだし、うん!大丈夫。
「もし駄目だったら、俺が連れて行ってやるよ!」
 分かった。分かったからそんな大きい声ださないでよ、奈津姫。
 横目で見てる水谷は何も言わなかった。
「大掃除するので、女子は3組教室、男子は4組教室で着替えてください。」
 あぁ、そうだった。
 着替えた後、担当の掃除場に行って、掃除をした。班で掃除をすることになっている。割り振りはジャイアンがしたので、水谷がいる。他には適当な人。
 私がやるのは、窓拭きだった。・・・冷たいだろうな。そう思いながらバケツに水をいれ、雑巾を浸して窓を拭いた。水谷はほうきで床を掃いていた。
「ひぇっ!」
 つ・・・冷たい。我慢我慢。
「曽木山。ほうき終わったけど、どうする?」
「ん?あぁ、先終わってていいよ。」
 まぁもうすぐ終わるだろうし、いいや。
 ひとけが無くなると、静かになる。こういう場に居ると結構落ち着くんだなぁ。ふとそう思う。
 『ガタッ』という音がした、後ろを振り返ると水谷が居た。
「俺、珠美亜のことあきらめるよ。」
「えっ?」
「じゃあ。」
 水谷はその場から立ち去った。
 嬉しいはずなのに・・・胸が苦しい。なんで?わからない。
 
PR

「紗枝嘩一緒に帰ろう♪」
 私の背中をポンとかるく叩いた少女は隣に来てにこりと笑う。いわゆる満面の笑みだ。
「いいよ。それにしても、どうしたの紘美。えらいご機嫌じゃない。なんかあったの?」
「え?別に~。」
 まぁ、そこまで知りたいとは思わなかったので、私はそのまま歩いていく。紘美は横で私についてくる。
 紘美と私は幼なじみだ。本名、中多紘美。家が隣同士で、いつも一緒にいる。外見は私より背が小さく細身だ。私は紘美が好きだ。もちろん親友として。紘美もそう思っていると願いたい。こっちが親友と思っていても、あっちが思っていなければ意味が無いのだ。
 家へ向かう道を歩いていると、ふと目の前に一人の男子が現れた。紘美はそれを見てほんのり頬が赤くなる。私はそれを見るといつも胸が痛くなる。
「よっ!お2人さん。いつも仲が良いねぇ。今帰り?だったら一緒に帰ろうぜ!」
「うんいいよ!」
 この男子の名は瀧沢哉。一応幼なじみ。紘美の思い人でもある。
「いいよね。紗枝嘩。」
「うんいいよ。・・・でもいいの?二人で帰んなくて。」
 私は小声で紘美に言う。
「いいの。2人じゃ緊張するんだよね。すこし。」
「ふーん。」
 やったー!二人と一緒に帰れる!なんて思ってしまう。応援すべき私がなぜ喜んでいるんだ!友達失格だぞ!
「何やってんだ?行くぞー!」
 多分、哉は紘美のことが好きなんだと思う。その間に私が入ってはいけない。入る隙なんか無い。
 そんなことを考えている私をよそに、楽しそうに話してる紘美と哉。・・・緊張なんかして無いじゃん。良かったかな?よし!ここから一人で帰ろう。
「あれ?紗枝嘩は?紘美知らない?」
「知らない・・・。どこいったんだろう。」
 2人が気付くのが遅かった。そのとき、すでに私は別の道から帰っていた。
 何とか2人に見つからず、家に到着。私の家は紘美の家と哉の家に挟まれている。だから、帰る道は同じと言うことだ。
 ふとカレンダーを見る。2月14日のところに、赤いペンで丸が描いてある。それを見るたびため息。どうせ渡せないチョコなんて作る意味無いのに、ちゃっかり作る用意を買ってしまった。明後日だっけバレンタインデー。友チョコにするか。
 やかんに火をつける。すると、携帯がなった。電話のようだ。応答のボタンを押し、電話に出る。紘美だった。
「あっ!紗枝嘩さぁ!」
 怒られると思った。でも違った。
「もう心配したんだからねぇ?突然消えて・・・。気悪くしたかと思った。あっ悪くした?」
 私はホッと息をつく。
「全然。邪魔かと思って別の道で帰っちゃった。ゴメン。」
「え?全然邪魔じゃないのに。だって一緒に帰ろうって言ったの私だよ?謝るのはこっち。ゴメンね。紗枝嘩。」
 私全然分かってなかったんだ。紘美のこと。
「・・・。」
「どうしたの?私変なこと言った?」
「ううん。違うの。あっゴメン。今、火使ってるから。切るね。」
「うん。いきなり電話してゴメン。じゃあもまた明日ね。」
「じゃあね」
やかんからお湯が噴き出す。私の目からも生暖かいものが噴き出していた。・・・チョコ作るか。

 『ピンポーン』と家中に響き渡る。紘美が来た合図だ。コートも着た、手袋もはめた、マフラーもした、鞄も持ったし、手提鞄も持った。準備万端で家を出る。いつもどおり家の前には紘美がいた。『おはよう』と毎日恒例の挨拶。よかった。ホントにいつもどおりだ。
 学校へ行く道を歩く。ふと、紘美が口を開いた。
「紗枝嘩ってさぁ、好きな人いるんだよね。」
 そういえば前いるって言ったんだっけ・・・。胸が痛くなる。うっ!なんて言おう。
「それって誰?教えてよぉ。」
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう!苦笑いのまま考える。あっ。これだぁ!
「紘美の知らない人だよ。他校の人!」
「ふーん。どこの中学?」
「んー?どこだったっけなぁ?忘れちゃった!」
 ふー。セーフ。
「そっか。明日バレンタインだから、一緒に渡そうかと思ったんだけど、中学分からないんじゃ渡せないね。」
 なんだそういうことか。
「あっあのね!今回中学最後のバレンタインじゃん?だから、告白しようと思ってるんだ♪」
 えっ?マジですか? 
「が、頑張って。」
「うん!頑張る!」
 あぁ。昨日紘美がルンルンだったのはこれを覚悟したからか。勇気あるなぁ。
 数分後、学校に着く。教室に入ると哉が窓際でクラスの男子と喋っていた。紘美はそれを見つめるばかり、私はその2人を見つめるばかり・・・。
 哉が私たちに気付く。すると、こっちに来た。
「おい。紗枝嘩、昨日先帰って・・・。どうしたんだ?」
「別に・・・。私用意しなきゃいけないから。」
「あっ・・・。何なんだよ・・・。」
 ほかにどんな手があるのよ・・・。私には分からない!哉は紘美のことだけ考えていればいいんだ。
 ガラッと教室の戸が開いた瞬間、みんなが席に座る。担任の長い話が始まる。本を隠して読む。内容が頭に入らない。本を閉じ、ため息をついた。あぁ、家に帰りたい。
 またまた数分後、担任が教室から出て行った。みんな次の授業の用意をする。次の授業は理科だ!よし。哉とは席が離れている。これで良いんだ。これで。
 帰り道、今日は哉と会わなかった。紘美はがっかりしていたが、私は嬉しいと悲しいの両方だった。
 家に帰り、昨日固めておいたチョコをラッピングする。・・・2つ。義理としてあげればいいんだ。そうやって逃げるしかない。それしか無いんだ私には。
 家の暖房に温められないように、自分の部屋にチョコを置きに行く。そして、ベットにうつ伏せになる。私はそのまま寝てしまった。
 起こされたのは夕飯のとき。母は『寝れなくなるわよ』と一言。そんなの分かってる。多分・・・。
 夕飯を食べ終えたので、ソファーにドカンと座り面白い番組はやっていないかと、チャンネルを切り替える。『これだ』というものは見つからず、あきらめて風呂に入ることにした。
 風呂のスイッチをいれ、お湯がたまるのを待つ。そのときはもう、お腹が膨れていなかった。
 寝るころになり、電気を消し、ベットに寝転がる。・・・ダメだ。眠れない。

 結局眠れなかった今晩。ものすごく眠い・・・。でも、学校は行かなきゃ。
 いつもどおり支度をして、いつもどおり紘美が来て、 いつもどおりの道を歩いて、いつもどおりの学校につき、いつもどおりの教室に入り、いつもどおりの生徒がいる。いつもと違うのは、この眠たさだけ。
 時刻は放課後、私は紘美を待っていた。結果はどうなっただろうか・・・。やっぱりOKなのだろうか?怖いけど知りたくて、だけど知りたくなくて。複雑な気持ちを抑えられぬまま私は待つ。
 紘美が戻ってきた。すっきりしたような嬉しそうな顔をしていた。・・・成功したのかな。
「成功?」
 紘美は下を見ていった。
「不成功。」
 意外な結果だった。私の感は外れたと言うことなのか。あっそうだ。チョコ渡さなきゃ。
「はい。友チョコ。これ食べて元気出してよ。」
「うん。ありがとう紗枝嘩・・・。」
 紘美の目にはいっぱいの涙。私は紘美にハンカチを渡す。そしたら私も泣けてきた。もらい泣きというやつだろう。なぜだろう。頭がぼやけてくる。そのとき紘美の声が響き渡ったそうだが、もう私には聞こえていなかった。
 私は・・・起きた。起きなきゃ困るけど。
 私は今とても不機嫌と嬉しさが混ざった状態。ここは保健室。ここまで運んでくれたのは誰か。もちろん私よりも小さく細身の紘美は無理だ。そこら辺にいる生徒が運んでくれるはずも無い。運んでくれるのはただ一人、哉だ。ちょうど通りかかったらしい。
 なぜか、哉と保健室で2人きり。どうすればいいか分からない。それに、紘美がいない理由も分からない。
「あっ・・・そうだ、哉に渡すものがある。」
「え?」
 私はベットから降り、鞄を開け、黄色をモチーフにしたラッピングの袋を出す。少し投げやりにそれを哉に渡す。再び哉は『え?』と言った。私があげると思っていなかったようだ。
「あげるよ。」
 と一言。なんと可愛げのない・・・。
「・・・あのさ、俺。」
 あ・・・。返されるかなぁ。
「要らなかったら返して!」
 うわぁ・・・。また可愛げのない。
「あっいや違うんだ。俺・・・物心ついたときから紗枝嘩のことが好きなんだ。紗枝嘩はそう思っていないかもしれないけど。」
「う・・・嘘でしょ?」
「そんなこと、嘘でいう奴がいるか!・・・いるかもしれないけど。でも俺は違う!・・・俺と付き合ってくれ。」
 どうすればいい?嬉しいけど・・・。紘美は?もしかしてこのこと知ってる?
「あのさ・・・。紘美はこのこと知ってるの?紘美が今日告白したとき、このこと言った?」
「・・・言った。」
 私は『そう』と一言いって、数秒黙った。沈黙がはしる。
 そうか、紘美は知っていたからここにいないんだ。私は口を開いた。
「私もね、哉のことずっと好きだった。もちろん今も。」
「じゃあ・・・。」
「紘美には悪いと思うけどそのことずっと隠してた。私と同じように紘美も哉のことずっと好きだったから。それに、最初にこのこと告げたの紘美なんだ。だからなかなか言い出せなかった。私は紘美を裏切れない。ゴメン、哉とは付き合えないよ。」
 私は黙って保健室を出て行った。家に帰る道、ずっと泣いていた。人目も気にならないくらい、いっぱい。
 それから、私たち3人はどうなったかというと、ただいつもどおり。こんな上手い話は無いってくらい。でも、三人の心の中にはまだ、恋のかけらが散らばったまま。
 
「あっそうだ。ねぇ、哉!ホワイトデー楽しみにしてるからね♪」


皆さん的に、恋愛系だったらごめんなさい。
友情系にしたつもりです・・・。まぁこんな感じで、沙鞍の小説終了♪
あっ一応ホワイトデー書く予定なので少し楽しみにしといてねー!
(`Д´(@)ノ゛ じゃねぃ!!ふぅ疲れた。
    

あれぇ?パスポートどこやったっけ?
「おい。箭一ぃ!早くしろよ。飛行機乗り遅れたらどうするんだよ!」
「乗り遅れたらどうもできないだろぉ!」
「屁理屈言ってないで早く探せよ!」
「うーい。分かったよ!」
あれぇ机の上に置いたはずなんだけどなぁ。
何だこの紙は?裏は?・・・・・。あぁ佐緒里との写真か。
「あっ!あったパスポート。」
「まだかー?」
「今見つかった。」
「早く車乗れよ。」
「あぁ。」
ガチャバタンッ
「おい。なんだ?その紙。」
あっ。持ってきちゃったよ写真。置いていきたいな。失くしたくないし。
「戻ってもいい・・・?」
「だーめーだ!ただでさえ遅いのにこれ以上遅くなったらホントに間にあわなくなるぞ。」
「だよなぁ・・・。」
ふと、車の窓の外を見てみる。空が真っ青で近くに見える。
・・・あの日もこんな空だったなぁ。
「なぁ。その紙なんなんだよ。」
「あぁ。これか?写真だよ。」
そういえば、ちょうど3年前だっけ。そんなこととっくに忘れてた。
まるで、白紙みたいに・・・。
 
 
~3年前
うわやっべぇ!遅刻だぁ!
くそぉ。入学早々遅刻かよ!あぁ桜がきれいだなぁ・・・。
んなこと考えてる暇は無いんだった!
「あっそこの人。走んないと遅刻するぞ!」
「いいんです。人待ってますから・・・あ。」
「なんだ。佐緒里かぁ。・・・待ってる人って誰だよ。
あっ、もしかして俺だったりしてぇ。」
「ちがっ・・・そうだよ。箭一を待ってた。」
「え?・・・嘘だろ。」
「嘘つくわけがないじゃん。ずっと隠してたけど私箭一のことが好きなんだ。」
何かものすごい心臓がバクバクだ。
だって俺も佐緒里のことが好きだから。
「お、俺も。」
早姫の表情がパァッと明るくなる。
「マジで?嬉しい!」
佐緒里の笑顔で俺は幸せになれる。どんなときでも。
 
そして俺はこのとき幸せだった。
 
 
「おいっ箭一!起きろぉ!空港に着いたぞ。」
「んぁ?もう着いたの?早いねぇ。」
「もうって、1時間近く走ってたぞ。ったく、一人でのんきに寝やがって。」
「ゴメンゴメン。久しぶりに早起きしたもんで眠いんだよ。」
「俺も同じ時間に起きたんですけどぉ。」
「ははは・・・。早く行こうぜ!」
「はぁ・・・。お前ってゆう奴はどうしようも無い奴だな。」
分かってる。分かってるんだ。どうしようもない奴だってことは俺が一番分かってる。
「何とか間に合ったみたいだな。」
「こんなに急いだのは、お前のせいだ!」
「はーいはい!分かったから。」
「てか、箭一さぁ、なんでイギリス行きたいわけ?」
「・・・何でだっけ?うーんうーん・・・ZZZ。」
「寝るの早いなぁ。まったく。」
その夢は頭が白紙だった俺に理由を教えてくれた。
卒業旅行の行き先をイギリスにしたいと強く思った理由を。
 
 
うわぁ。入学早々進路調査なんてぇ・・・。
めんどくせー!まぁ決まってるからいいけどな。
そんなことを考えていると、佐緒里が近くへ寄ってきた。
「ねぇ。箭一は進路決まってる?」
「あぁ。一応な。親父の店継ぐつもり。佐緒里は?」
私はと言いかけたが、止まった。
「どうしたんだよ?」
「え?大学行くつもり・・・。」
「そっかぁ。一緒にいられるの後3年か。」
「そ・・・そうだね。」
このとき気付いていればよかったんだ。
佐緒里の異変に。
 
~数ヶ月後
「佐緒里。今日顔色悪くねぇか?」
「え?そんなこと無いよ。」
「でも・・・。」
「次体育なのでぇ、女子はそのまま1-2、男子は1-3に移動してくださぁい。」
「あっ。次体育だって!行かなきゃダメじゃん。」
「でも・・・。」
「ほらほら!覗きになっちゃうよ!」
佐緒里に押されて俺は、教室からでた。
「なぁなぁ箭一ぃ。体育女子と合同らしいぞぉ。」
「お前やらしい想像しただろ。」
「あったりめぇだよ。男なんだから。」
こういう奴に、佐緒里の体操服姿は見せたくねぇな。
そう思ったと同時に2組の教室から物が倒れた音がした。
また、女子の数人の悲鳴も混ざり合っていた。
女の先生が中に入ってどうしたの?と言っている声が聞こえる。
そしてある女子生徒が、
「佐緒里が倒れて・・・。早く保健室に。」
俺はそれを聞いて教室に飛び込んだ。
俺に向かってキャーキャーわめく女子もいたが、
俺はそんなことを気にせず、佐緒里で頭いっぱいだった。
「俺が、保健室まで運びます。」
先生に一言言うと、俺は走った。背中の佐緒里のために走った。
「先生いますか?」
「あら、斉藤君どうしたの?」
「佐緒里が・・・。」
「枡田さんが?あら!こっちへ運んで頂戴。」
「はい。僕は・・・。」
「担任の先生に連絡して!」
「はい!」
俺はまた走る。ひたすら走る。
 
放課後になると、すぐに佐緒里のところへ行った。
「枡田さん。寝不足だったみたいで、それに食事もろくにとってなかったみたいなの。」
「そうですか。・・・付き添っててもいいですか?」
「えぇ。いいわよ。でもおそっちゃダメよ。」
先生は語尾にハートマークをつけて言うと、保健室を出て行った。
「ん~・・・。」
「佐緒里起きたのか?よかった。あっ先生呼ばなきゃ!」
「行かないで。私のそばにいて。」
「わかった。食事も睡眠もとってないなんて、何があったんだよ。」
「・・・私箭一に言わなきゃいけない事があるの。前さ、私・・・大学行くって言ったじゃん?」
「うん。」
「あれは無しになったの。それでね・・・お父さんが転勤してイギリスに行くことになって・・・。」
「それで、夜寝れなかったのか・・・。」
「うん。」
「わかった。・・・いつ行くの?」
「3月24日。」
「来月じゃん!」
もともとあと3年しか一緒にいられなかった。別々の道を歩むことになったから。
だけど、会おうと思えば会えたのに・・・イギリスなんて。
「箭一・・・。」
「よし!毎週土曜日デートしよう!」
いままで部活があってできなかったからな・・・。
「部活は?いいの?」
「いいよ!今日は2月15日か。あと5回しかできねぇんだし。」
「うん。」
 
1回、2回、3回、4回と時が過ぎていった
そして5回目のときが来た。
佐緒里は物悲しげに待ち合わせ場所に立っていた。
俺は、彼女のそばへ走って行く。佐緒里が俺に気がつく。
そっと微笑む姿を見たら心がぐっとした。
「行こうか。」
俺は佐緒里に手を差し出す。
佐緒里はそれにこたえるように手をそっと俺の手に置く。
佐緒里が俺に好きと打ち明けた、桜の木下で。
 
俺たちは互いの思い出の場所に行くことにした。
しばらくして、もういくところが無くなってしまった。
佐緒里が公園に入ろうよと言ったので、入ることにした。
「なぁ。空港行くのっていつ?」
「えっ・・・?くっ9時くらいかな?」
「そう・・・。」
2人が黙る。公園は静かだ。
今は、6:00。いつも遊んでいるガキたちはもういない。
だから俺は、佐緒里にキスをした。
もちろ頬では無く、唇に。恥ずかしいけど、ファーストキスだった。
今日のデートはこれで終わり。
佐緒里が家に入る。バイバイといって、背中をむけドアを開け・・・。
俺の目の中から消えた。
 
終了式。それは俺が、佐緒里を見た最後の日だった。
佐緒里はホントは9時ではなく、もっと早く出たからだ。
佐緒里は、桜の花びらとともに、消えてしまった。
 
 
「おい。ついたぞ!箭一!」
「んぁ?もう着いたの?早いねぇ。」
またそれかよと言うようにため息をついた。
そして、今まで白紙のように真っ白だった、佐緒里との記憶がよみがえる。
鮮明に、そしてはっきりと絵の具で描かれたように。
「思い出したか?イギリスに行きたかった理由。」
「あぁ。思い出したよ。」
「ふーん。よかったな。」
「あれ?聞かないのか?」
ふふんと鼻をならし、得意げに、
「もう知ってるよ。枡田さんとの写真見ちゃったんだよなぁ。
枡田さんってさ、イギリスに引っ越したんだったしな。」
こいつは、何もかもお見通しだったってわけか。
色々手続きを済ますと、俺たちは外に出た。
俺は何のためにイギリスまで来たのか。
いままで白紙だった頭が、今は鮮明に佐緒里との思い出が詰まっている。
会わなきゃいけない。でも、どうやって?
「きゃっ!」
いきなり立ち止まったんで、後ろにいた人とぶつかってしまった。
振り返り、手を差し伸べる。その人の顔をちらりと見た。
目が合う。正直ビックリした。それは佐緒里だったからだ。
新しい白紙に換えられ、新しい絵が描かれる。そんな気がした。
 (ここから沙鞍のコメントデ━d(*´ェ`*)━ス☆)
えぇっと、長くてすいません(w_-;
大きさ違うところあるから、ごめんね (-益-;)
あんまり、自信がありません!
ってな感じです。。。沙鞍でした!

私はあの人に出会わなければ、
何かに没頭することは無かっただろう。
そう何も。

「わー!きれー」
私の一人暮らしのはじまりの場所。なんだかわくわくしてきた。
「あんたが207号室の新しい住居人かね。」
「はい!」
「んじゃ、ついてきなよ。」
‘‘おおやさん``とか言う人かなぁ?結構じいさんだなぁ。
「ここじゃよ。合鍵はこれじゃ。そんで月に1回決まった日に金を取りに行くからのぉ。
月々8万じゃ。」
「安い・・・。この広さだと10万越すかと思ったのに。」
「(ニヤリ)その理由はもうすぐ分かることじゃ。
わしは100号室に住んどる。聞きたい事があったら来るんじゃのう。」
「あっ分かりました」
ガチャッ
・・・こっこれが8万?ひっ広い!あのじいさんもうすぐ分かるっていってたなぁ。
いつ分かるんだろう?・・・まッいいや。
「おぉ。ちゃんと荷物運んである!ラッキー。
そういえば明日入学式だっけ。準備しーよぉっと」
ガチャッ
・・・ん?なんだ?今ガチャっていったぞ?
玄関玄関・・・。えっ?なんで男の子(自分と同じくらい)がいるのぉ?
「あのぉ。部屋間違ってませんか?」
「そっちこそ間違ってるんじゃないの?」
「私ちゃんとおおやさんに連れられてきたんだから!
ちゃんと合鍵だってあるし・・・」
「こっちだって!」
「ここに荷物はこんであるし。」
「俺だってここに運んであるぜ?」
「お・・・おおやさんに聞いてこよう・・・。」
ど・・・どうなってるの?何であいつの荷物が?
ピンポーン
「あ・・・やっぱり来たんじゃのう」
「やっぱりって・・・?」
「君達の親御さんとは知り合いでなぁ、
それまたそこの女の子とそこの男の子の親御さん同士も
知り合いでのう。このことは親御さんが決めたことじゃ。」
「はぁなに言ってんだよおっさん!冗談だろ?」
ポリポリ・・・
おじさん何ハゲ頭かいてんの・・・?
「冗談など言うもんか。ほれ親御さんからの手紙。」
何々?

‘‘塑宇佳へ
ごめんねぇ。
そのマンションのおおやさんと知り合いだから、
頼みやすくって。
相手の子・・・男の子だけど、もうお母さん許しちゃう!
もう何やってもいいわ。うふっ!
お父さんには女の子って言ってあるから安心してね。
大丈夫。その子の親はしっかりしてるって言ってるし。
ちゃーんと責任とってくれるわ。
じゃあばいばいがんばって!
お母さんどうなってもびっくりしないから。
                          by母``

意味分かんないけど・・・まぁいいや。
「部屋戻るぞ」
「あぁ。うん。」
どうしたんだろ?

「俺。結崎眞箏。
松実高校にもうすぐ入学するんだ。」
「えっ?私も・・・。松実高校に・・・。
あっ私の名前は、碕街塑宇佳。」
「・・・同じ?同居してること誰にも言うなよ。」
「そんなこと考えてなかった・・・」
「まぁいいけど。(こんなやつと同じクラスになりたくないな。)」
「じゃあ」
準備準備っと・・・
あっ荷物かたずけなきゃ!

ふー。やっとおわったぁ。
眞箏くんかたずいたかな?
覗こうっと。
き・・・汚い。
「手伝おうか?」
「あ・・・お願いしま・・・」
バタッ
「わーっ。大丈夫?」

「あっ。気がついた?
途中で倒れちゃって。」
「今何時?」
「えっ?あぁ、10:14くらいかな」
「もう?あ・・・戻っていいよ。」
「いや・・・。手伝うよ。」
「ごめん。頼むよ。」

「スースースー」
「ぐーくわー。はっ!寝ちゃった。
起きてー!眞箏くーん!」
「ふにょ!ほわーい」
「ブッ。かたずけはじめようか。」
「あ、うん。」
ブックックックッ。ふにょって・・・。
うけるー!
「後は、自分でできるから・・・」
赤面してる。なんかおかしい。ブッ
「わかった」
あ・・・ご飯。作んなきゃ。
仕送り仕送りっと。
あった!米と野菜と調味料。
これだけあれば大丈夫かな。

できた。何とか。
「ご飯作ったんだけど食べる?」
「あぁ。うん。今終わったところ」
なんかイメージ一転したな。
「いただきます。あ・・・いけるよ。」
「ん。ホント結構いける。」
そういえば夜ご飯食べてなかったな。
・・・明日って入学式。
同じクラスになれるといいな

(多分私はこのとききずいていなかった。
もうすでに‘‘没頭``しているということを。)

~入学式の日
あっ。結構かわいい!
この制服!
友達できるかな?
「準備できたぁ?」
「・・・一緒に行く気か?」
「うん。」
「俺はゴメンだね。誤解されたら困るから。」
「そっか。んじゃ。先行ってるね。」

「あぁ。うん」

着いたー!メッチャ近い!
あっ。あそこかなぁ。
クラス発表のところ。
えーっと?
さきまちそうか
あった!2組か。
あっ眞箏くんはどこかな?
ゆうざきまこと
ラッキー2組だ!こないかなぁ眞箏くん。
「ねぇ、あの子かっこよくない?」
誰のことだろ?
「あ・・・眞箏くん」
もてるんだ・・・
チクンッ
ん?なんだろう。
あっ目があった。あ・・・すぐ逸らした。ショック!
えっ?ショック?何でだろう?
「えー。クラスを確認した生徒は、
校内に入りなさい」
入らなきゃ。

「2組担任の吉田太郎です。もうすぐ式が始まるので席に座って静かに待っててください。」
声デカッ!このおっさん。
席はなれちゃったな・・・
はぁ・・・
?????なんでため息なんか。
「ねぇねぇ。手紙きてんだけど・・・」
「ごッごめんなさい。」
「いえ。ため息ついてたけどどうかしたの?
あぁ私の名前は白河由璃。よろしく。」
「私は碕街塑宇佳。よろしくね。
・・・聞いてくれる?」
「うん」
「ある子がもててるとチクッてきたり
無視されたらショックだし、席が離れると
ため息でたり・・・。」
「ある子って男の子?」
「うん」
「それって恋じゃない?」
「え?恋ってそんな、数日前あったばっかなのに。」
「恋に時間は関係ないものよ。」
私って惚れっぽいのかな?
でも初恋・・・。
「体育館に移動するのでしゅっせき番号順に並んで。」

あー長い校長の話が終わった。
やっと帰れるぅ。・・・さっさと帰っちゃお。
早く家に着け!早く家に着け!早く家に着け!
早く家に着け!早く家に着け!早く家に着け!
はぁ・・・やっと着いた。
ガチャ、ガチャ、ガチャリ・・・バタン!
ドスドス、ガチャン・・・バタン!
ペタン・・・。
気が抜ける。何か混乱するな。
恋ってこんなものなんだ。
ガチャッ。
ビクッ
帰ってきた・・・。なんだか体中が熱くなる。
会いたい。会いたい、会いたい!
無性に会いたくなってきた。
コンコン
「帰ってきてるんだろ?今日少し避けちゃってごめんな。
友達できたみたいでよかったじぇねーか。」
声を聞いているだけで落ち着く。
「うん」
「買い物いってくるな。」
行かないで!行かないで!
ガチャ!
「行かないで!」
「・・・?どうしたんだよ。」
「わ、分からない」
胸が締め付けられる。
「・・・お前結構もててたぞ。」
「え?」
「俺、何か嫉妬した。
最初は変な奴って思ってたのに・・・
何でだと思う?」
「何で?」
「好きだから。」
「ほ、本当に?」
「あぁ。俺って結構惚れやすいのかな?
でも実は初恋なんだ。」
「私、眞箏くんのこと好き。」
「よかった。もし俺らが4年たっても付き合ってたら
結婚しよう。

~4年後
幸せになれるおまじないー!
あっ!あった!
「はぁ・・・。またそんなの見てんのかよ。」
「いいでしょー!幸せになりたいんだから!」
「俺は十分幸せだけど?」
「・・・明日。」
「明日がどうしたの?」
「眞箏の20才の誕生日だよ?」
「うん。」
「もう、4年経ったのに。」
「うん。」
「約束忘れたの?」
夢中・・・いや、
没頭
してたのは私だけだったの?
あなたは・・・没頭していなかったの?
「もう寝る!」
「あっ・・・」

朝か・・・。
起きたくないな。
グーーー。
お腹減ったな。何か作ろうかな。
ガチャ
眞箏・・・
「何でこんなとこで寝てるの?」
「ふにょ?塑宇佳ぁ。忘れてないよ。
あの日の約束。今日これを渡そうと思って・・・。」
「え?」
「これ。結婚指輪。
昨日、塑宇佳に言われたから焦ったよ。
4年経った。だから、結婚しよう!」
「はい!」
ごめんなさい。
少しでも疑ってしまってごめんなさい。
「今年で専門学校卒業するだろ?
修行積んで、2人とも一人前になったら
一緒に店つくろうな!」
「うん!」

~6ヶ月後
「やっぱりね。お母さん分かってたわ!
きっとこうなるって!」
「はいはい。分かったから。
ねぇ。ドレス姿どぉ?似合う?」
「もう!見違えちゃったわよ!」
「お・・・お父さん。泣かないで。」
「さ・・・さびしいなぁ」
「あっ、眞箏くん!どう?」
「に・・・似合うよ。(かっかわいい)」
「シンロウ、シンプサン教会ノホウヘキテクダサァイ。」
「はい!」

あなたに出会えて本当によかった。
あなたに出会わなければ私の中に「没頭」という文字はなかった。
本当にありがとう。私の運命を変えてくれて。

んーっと、没頭という字はあんまり使わないから
違和感があるね・・・。あと長くてすみません。ぺこぺこ(・・*)(。。*)(・・*)(。。*)
沙鞍でした。

「メモ」ってむずいけど書いてみるぜぃ!

 

‘‘私は1年後まだ誠司のこと好きでいるのかなぁ?``
はぁ・・・。何書いてんだか。でも気になる。
「・・・プッ」
上を見上げてみた。その声の持ち主は誠司だった。
「じょ・・・冗談だから・・・」
「どうせ冗談じゃないんだろ?」
「冗談だってば!!!!!」
おもわず大声を出してしまった。
「俺、知ってんだぜ?お前がうそつくとき下向くんだ。
自分できづいてないだろ。」
言われてみればそうだった。びっくりした顔の私を見て誠司は少し笑うと、
「俺はお前が好きだぜ?」
そう言うとすこしほっぺが赤くなった。
わたしのほっぺが熱くなっていく。
「うん。私も・・・」

念願の両思い。

このメモに感謝!

ホントにホントに感謝感謝感謝!!!!!

感謝×∞!!!!!!!!!

今度メモる時ははきっと・・・

‘‘私達は``だね。

 

うーん。微妙!!!((笑))もう少し上達できたらいいんだけどね。
ってことで沙鞍の小説終わり!!!!!

│HOME│  Next ≫

[1] [2] [3]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=