小説や詩を載せるブログです。基本的にはリックス学園の小説ですが、それぞれが“100のお題”についても書いているので、お時間があれば覗いてみてください。 E.M.W.という企画もやっています。 雑談もあります。
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プロフィール
HN:
Shafy Mile
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/12/24
職業:
学生
趣味:
物書き
自己紹介:
私たちShafy Mileは5人組みの素人小説家(?)です!
ではそれぞれの自己紹介いきましょう~!!

飴夜(いよ):絵を描くことが大好きでよくみんなからは「黒い」といわれてしまうが、自分では純白だと思っている奴~★
担当:絵(のちのち載せていきますよぉ)

沙鞍(さくら):いつも踊ってる陽気な奴~☆
担当:絵(のちのち載せます)と恋文

魅世(みよ):頭が良くて、いつもおしとや~かな奴♪
担当:文章(感動系ほかいろいろ)
 
志李奈(しいな):沙鞍と一緒にいつも踊ってるぶりっこな二重(多重)人格な奴☆(小説は黒いけど)
担当:ストーリーの構成&詩

寿(ことぶき):頭が良いのか分からない、変態な奴。
担当:文と企画。
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[03/09 志李奈]
[03/09 魅世]
[03/08 寿]
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上が志李奈の日記。 下が寿の家族の劇団のHP。
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あー!そこそこ振って早く剣振って!そうそう!そこをザクッと!よっしゃー勝ったよ!ランク上がるかなぁ?
 今私はとてもどきどきしている。・・・でもこんなどきどきがほしいんじゃなーーーーーい!
「こらっ!珠美亜(すみあ)、またゲームばっかりしてー。勉強少しでいいからしなさい!」
「はーいはい。」
 まただよ。いつも言う言葉がワンパターンだってーの。お母さんは皆そんなもんなのだろうか。まっ興味ないけど。
 学校は・・・はっきり言ってつまらない。なぜかというと恋をしていないから。私は『ゲームに恋をしているわ』なーんてくだらなく淋しいことなんか言わない。うー!ゲームじゃなくて現実でどきどきしたい!
 
 次の日、私は学校へ向かった。へぼな男子しかいない学校へ。実際、私はへぼじゃないとは言えないけど。
「おはよー!珠美亜、いつもどうり不機嫌だねぇ。」
「あぁ麻香(まか)。おはよー。まぁ、朝だけはね苦手なのよ。・・・あーあ。転校生でも来ないかなぁ。男で!私のタイプの人じゃなきゃ嫌だけどねぇ。・・・まぁ今の時期来ない確率のほうが高いけどね。」
「毎朝それだね。まぁ確かにってな感じだなぁ。うちの男子レベル低いもんなぁ。それに・・・今は3月だもんね。」
 私はわざとらしくため息をついた。そして口を開く。
「麻香には他校の彼氏がいるじゃん。いいよね。出会いがあって。」
「珠美亜も塾はいればいいのに。」
「嫌だよ。勉強したくないもん。」
 まぁ自分から出会いを避けているもんだけど。でも、勉強するくらいなら、出会いなんて要らない。麻香は『そっか・・・』というと、違う話に切り替えた。私達は笑いながら登校をした。
「よぉ!珠美亜。」
「おはよー。奈津姫(なつき)。」
 奈津姫はなぜかワクワクしているようだった。なぜなのか聞こうと思ったのだが・・・。
「なぁ、聞いたか?今日転校生来るって噂があるんだってよ!ホントかどうかはわかんないけどよ。珠美亜にとっちゃ嬉しい知らせだろ?」
「まぁ・・・。そうだけど、噂でしょ?信じないほうがいいよ。多分。もし来たときそのほうが喜びも大きくなるし。」
 奈津姫は少し肩を落とす。だとしても、すぐに立ち直るのが奈津姫のいいところだと思う。逆に困るときもあるが・・・。
 チャイムが鳴る。一斉に生徒が座りだす。先生はちょうどに来るはずもなく、席に座りながら近くにいる友人と話す。それが日常ってなもんだ。
 やっとというように、担任が入ってくる。背が高くがっしりとした、どこかのプロレスラーのように思わせるその担任は少し御機嫌な様子で教卓の前に来る。それを見て、一人の男子が、
「ジャイアン何でそんなにご機嫌なんだよ。」
 あっ。ちなみにジャイアンというのは担任のことだ。
「ジャイアンと呼ぶなと言っただろう。ジャイアン先生と呼べ!そうそう、ご機嫌の理由はな・・・秘密だ。」
 ・・・まったく意味不明な担任だ。
 ふと、窓からの風が強くなる。カーテンがその勢いで開かれた。その窓から人が出てきた。その人は教室に入ってくると、
「水谷喘汰(みずたにぜんた)参上!転校生でーす!イエーイ!」
「おっかっこいいなぁ。水谷。まぁもうすぐ授業始まるからよ、席に着け。曽木山(そきやま)の隣あいてるよな?机廊下に置いといたから水谷とりに行け。」
 曽木山というのは私のことだ。
 廊下から戻ってきた水谷という男子は、私の横に来た。挨拶ぐらいはしたほうがいいだろう。
「私の名前は曽木山珠美亜。よろしく。」
「よろしく。・・・曽木山って」
 ・・・いきなり呼び捨てですか。
「何?」
「可愛いな!付き合ってくれん?一目惚れしたわ。」
 こっこいつ苦手だ。
「無理。水谷君のことよく知らんから。」
「ってか、喘汰でいいよ♪それにこれから分かるって!俺のこと。あっ珠美亜って呼んでいい?呼ばせてもらうわ!」
 うっ。もろ苦手だ。
「・・・水谷。お前つくづくかっこいいなぁ!ジャイアン感動したぞ!」
 拍手がまきおこる。中には、『頑張って』なんていう奴もいた。
「頑張るわ俺!」
「その調子だ!みんな応援しよう!」
「おーっ!」
 何のこっちゃ・・・。
 一時間目の授業が終わって、一息つく。すると麻香と奈津姫がやってきた。
「珠美亜、モテモテじゃん!ちょうどいいんじゃない?転校生来てほしいって言ってたじゃん!」
「・・・私よりも背ぇ低いもん。」
「ってか、性格も苦手タイプだろ?俺には分かる。」
 分かってくれるのはいいけど、男言葉使いはやめてほしい。男か女か分からない。
「まぁね。でも、初対面での告白をOKするほど私は軽くないよ。」
 2人とも頷く。・・・2人は水谷の応援をするのだろうか?実際に聞いてみたところ、
「えっ?私は『おーっ!』って言っちゃったけど・・・。」
「俺も。」
 マジですかー!!!そりゃ無いよ、2人とも!
「ありがとう!」
 後ろから声が聞こえた。振り向くと、水谷が立っていた。
「・・・はい?」
「いやぁ。応援してもらえると嬉しいわ。キミたち何て名前?」
 やっぱり軽いよこの男。
「井伊奈津姫だぜ。よろしく!」
「私は新井麻香。よろしくね。」
 ・・・2人とも。
「うーん!水谷君ていい子だね。珠美亜ー。付き合っちゃえば?」
 帰り道にそんな話をした。ちなみに私は帰宅部。麻香もだ。奈津姫は水泳部で朝練もある。だから、行きも帰りも麻香と一緒・・・だったのに。
「そう?俺いい子?」
 なぜか水谷がいる。毛嫌いするのはいけないのだけど・・・
「私、本屋よって行くわ。 2人で帰ってて。」
「わーん!珠美亜冷たいー!」
 無視だ無視!こんな奴に愛情注いでも意味なし!はぁ、運悪いなぁ。転校生が来たはいいものの、こんなやつじゃなぁ。
 なぜか麻香も奈津姫も気に入ってるし・・・。はぁ。
 家に帰ると・・・水谷が。・・・何で?何で家に水谷が居るの?
「いやぁ。珠美亜に言ってなかったっけか?親戚が家に来るって。」
「言ってない!・・・って親戚?」
「うん。はとこだよ。」
 はとこ?マジで?血ぃつながってんの?
「ってことだから。仲良くしてやってくれ。喘汰くん。」
「はい!」
 最悪だぁ・・・。
 
「あれ?何で水谷君と珠美亜が一緒に居るの?」
 言えない!絶対に言えない!水谷と私が同じ屋根の下に住んでいるなんてー!
「いやぁ・・・ははは。水谷!絶対に一緒に住んでること言っちゃだめだからねぇ!
「・・・喘汰でいいのに。」
 ふう。やっと学校に着いた。こっからも地獄だけどね・・・。
「よぉ!珠美亜。なぁなぁ!今日体育男子と合同だってよ!寺辻が言ってた!」
 ちなみに寺辻とは体育の先生のことだ。そして水泳部の顧問でもある。
「へぇ。何やるの?」
「バスケだってさ!」
 おっ?ラッキー!バスケ好きなんだよねぇ!
「何時間目?」
「一時間目。ふふふ。珠美亜が喜ぶジャンルでしょ?」
 私はニコッと笑う。そして『まぁね』といった。
「・・・珠美亜の笑った顔可愛い!もう一回!」
 うっ!なんかこうも言われると・・・てっ照れる。
「あーっ!珠美亜が照れてる!」
「ホント珍しい。ここで一枚!写真を撮りましょう。はいっチーズ!」
 『カシャッ』っと音が鳴る。・・・そんな珍しいの。
「そんな珍しいの?」
 と水谷が言った。
「あぁめったに無いぞ。麻香いいもの撮ったな!」
「んだね。」
 ・・・あぁ。面倒になってきた。・・・不覚にも照れてしまった。
 チャイムが鳴り、ジャイアンが来て、朝の会やって、男子と先生が出て行ったところで着替えて、体育館に向かった。そこには男子がズラリ。と言っても並んでいるわけではないが・・・。
 寺辻が体育館に入ってきた。さぁ!バスケの始まりだ!チーム構成は男女混合となった。分け方は男女それぞれ好きな人と組んで、適当に番号をつけ、番号が同じ人たちと組むと言うごく普通のものだった。
「あーあ。珠美亜と離れちゃったよ。」
「残念だね、水谷君。」
「本当に好きなんだな、珠美亜のこと。」
 私的にはどうでもいい。水谷のことなんか。
「そこっ。喋ってないで試合始めるぞ!」
「はーい!」
 ・・・試合開始っ!思わずにやけてしまう私に笑いかける水谷。・・・見られた。
 一回戦、まぁ楽勝で勝った。次は審判をしなくてはならなかった。しかも、水谷のチーム。ずっと見ていなきゃいけない。試合を見るのは好きだからいいか。
「BチームとCチームの試合を始めます!礼!」
「お願いしまーす!」
 ジャンプボールで始まった。あっ水谷が取った。えっ・・・。水谷超上手いじゃんか!
 水谷のチームが26点。相手のチームが0点で試合終了。高校でこんな試合見た事が無い。
「俺、将来バスケのプロになるつもり!だよ。」
「マジ?俺応援するぜ!」
「私も!」
 この2人・・・。水谷を応援しすぎ!・・・淋しいなぁ。
「曽木山さんたち次試合だよ!」
「どこと?」
「水谷君たちのチームと。」
 さいですか。・・・今回は油断できないな。
「BチームとDチームの試合を始めます。礼!」
「お願いします!」
 ジャンプボールはとった。ここからが勝負だ!雑魚はぬけれる。だが、目の前に水谷が来ると危ない。
「奈津姫!水谷マークして!」
「OK!」
 これで何とか一点(二点)。・・・水谷相手に何興奮してるのよ!
 それから、点数の取り合い。結構水谷も本気みたいだ。5分間の短い試合。24対22で私たちの勝ち!・・・もしかして手抜きした?
「ねぇ。水谷!」
 呼び止めた。真正面から見た水谷はふくれっつらだった。
「・・・負けた。」
 私はふきだした。あぁ本気だったんだ。
「ショックなの?」
「うん・・・。たとえ珠美亜でも負けるのはショックだよ。」
 ・・・一応確かめておこう。
「手抜きしてないよね?」
「・・・当たり前だろ!バスケで手抜きなんかするもんか!」
 ということは・・・よっしゃー!勝った勝った♪気分が乗ってきた。ふんふんふーん♪やっぱりバスケは楽しいなぁ。この学校に女子バスケ部が無いのが惜しい。
 これで体育の授業は幕を閉じた。最高の気分と一緒に。
「珠美亜・・・。喜びすぎじゃない?」
「そうそう。水谷が可哀そうだろ?」
 ・・・また水谷をかばって。でもちょっとかわいそうかな?謝っておこう。
「ゴメン。水谷。浮かれすぎた。ホントゴメン!」
 下を向いていた水谷がすっと顔を上げる。ビックリした・・・。
「俺、珠美亜より強くなるよ。」
 それだけ言って帰ってしまった。といっても、すべての授業が終わっていて、教室には数えるほどの人数しか居なかった。
「・・・珠美亜あんなに頑張ってるんだし、受け入れてもいいんじゃない?」
 無理だと思うな。
 水谷が帰ってきたのは9:00だった。めちゃんこ遅いってわけじゃないけど、母と父は心配していた。
「何も無かった?」
 何も、というのはヤンキーに絡まれるなどというようなものだろう。
「はい。すみません。心配かけて。」
「いや。良いんだよ。キミさえ無事であれば。」
「いえ。すみません。」
 それで会話が終わったのだが・・・。どうも水谷の表情が気になる。私は気になったまま眠った。
 
「どっどうしたの?!隈できてるよ!」
「いやぁ・・・。寝不足で。」
 水谷おいて行っちゃったけど・・・良いよね。
「おいっ!珠美亜、隈できてるけど、どうかしたのか?」
 みんなそう言うんだ。嬉しいけど何だか・・・苦しい。
 ふと、めまいがした。私保健委員なのに、誰かに連れて行ってもらってちゃ・・・駄目じゃない。
 水谷が教室に入ってきた。こんな顔見せたら心配する・・・。私はすばやく目を逸らした。それを、水谷はどう思っていたかは分からない。
 チャイムが鳴って、いつものようにジャイアンが来た。明日は休み。ゆっくり休もう。
 今日の授業もジャイアンの話も何もかも長く感じた。休みたいという気が強いからだろう。
「珠美亜?やっぱ眠い?保健室行ったほうがいいんじゃない?」
「ううん。大丈夫だよ。」
 体は丈夫なほうだし、あと一時間授業があるだけだし、うん!大丈夫。
「もし駄目だったら、俺が連れて行ってやるよ!」
 分かった。分かったからそんな大きい声ださないでよ、奈津姫。
 横目で見てる水谷は何も言わなかった。
「大掃除するので、女子は3組教室、男子は4組教室で着替えてください。」
 あぁ、そうだった。
 着替えた後、担当の掃除場に行って、掃除をした。班で掃除をすることになっている。割り振りはジャイアンがしたので、水谷がいる。他には適当な人。
 私がやるのは、窓拭きだった。・・・冷たいだろうな。そう思いながらバケツに水をいれ、雑巾を浸して窓を拭いた。水谷はほうきで床を掃いていた。
「ひぇっ!」
 つ・・・冷たい。我慢我慢。
「曽木山。ほうき終わったけど、どうする?」
「ん?あぁ、先終わってていいよ。」
 まぁもうすぐ終わるだろうし、いいや。
 ひとけが無くなると、静かになる。こういう場に居ると結構落ち着くんだなぁ。ふとそう思う。
 『ガタッ』という音がした、後ろを振り返ると水谷が居た。
「俺、珠美亜のことあきらめるよ。」
「えっ?」
「じゃあ。」
 水谷はその場から立ち去った。
 嬉しいはずなのに・・・胸が苦しい。なんで?わからない。
 

そして終業式。2年の生活は幕を閉じた。
 休みの日にはもう疲れは取れていた。
 水谷とは2日間話してない。
 ・・・恋ってそんな簡単にあきらめられるものなのかな?だったら恋なんて・・・。
「珠美亜?どうしたの?元気ないよ。通知表悪かった?」
 私は笑顔で言った。
「違うよ~。まぁ通知表悪かったけどさ!」
 隣に水谷は居なかった。・・・今何してるんだろう?
 帰り道、私の頭の中は水谷でいっぱいだった。でも・・・これは恋と言う感情ではないと思う。違うと思う。
「でさぁ、水谷くんのこと好きなの?」
 いきなり、麻香が聞いてきた。ので、びっくりというより動揺して電柱に頭をぶつけてしまった。その衝撃で水谷のことが吹っ飛んだ。
「んなわけないじゃん!」
 声が裏返った・・・。好きって言ってるみたいじゃんか!
 私の顔を見て麻香はゆっくり空を見た。
「・・・違うのか。そうでもいいと思ったんだけど。結構お似合いだよ?」
「えっ?疑わないの?」
 ふふふっと笑って空から私に視線が移った。
「だって、珠美亜が嘘つくとき・・・。言わないでおこう♪」
「えっ何?」
「秘密!」
 長い付き合いだとそんなとこまで分かるんだ。ある意味怖い。
「ねぇ!今日久々に前よくバスケやってた公園行かない?行きたくなっちゃった!」
 ・・・何かたくらんでるな?麻香、目が・・・怖いよ。
「いいよ。」
 どうせ暇だし。麻香と遊ぶのは・・・しょっちゅうだけど、まぁいいだろう。
 その公園は麻香の家の隣にある。私は着替えて麻香の家に向かった。
「あっ来たねぇ。じゃっ行こうか。」
 隣というより、麻香の家の裏にある公園に向かう。
「あ・・・。」
「やっほー♪水谷くん。やってるねぇ。バスケ。」
「何で珠美亜来んの?」
 いつも、ここに来てたのか。ってか来てほしくないみたい?
「帰る。」
 もういいや。水谷のこと考える頭がもったいないよ。すべて忘れよう。
「珠美亜・・・。」
 私は公園を出た。
「麻香何かたくらんでるなと思ったらこれだったの。水谷私に来てほしくないみたいだったじゃん。」
「ちがっ・・・。」
「私帰るよ。じゃあね。また。」
 麻香は何も言わなかった。
 麻香は悪くない。水谷も悪くない。悪いのは私なのに。もう何もかもがメチャクチャだ。
 
 起きたのは10時。結構遅い。父さんも母さんも仕事に行っている。この家に居るのは私のみ。水谷は朝からどこかに出かけているようだ。
 実際春休み中こんな生活の繰り返しだった。一応麻香とは仲直りをした。私が悪いのに、麻香は『ゴメン』と言ってくれた。その言葉が胸にしみて泣けてくる。
 ある日、一人で買い物に行った。漫画を買いに来ただけだが、それだけじゃ暇なのでゲームセンターに行くことにした。私が前から一番好きだったゲーム。それはバスケのゲーム。早速バスケのゲームがあるところに向かった。あっ!先客有りか。まぁいいや。両替してこようっと。
 私は千円札を両替する。もう一度ゲームの場所に行ってみると、もう誰も居なかった。私はゲーム機に向かい、100円を入れ、落ちてきたバスケットボールを持つ。ゲームの始まりだ!
 最近やってなかったんで、鈍ってるかと思ったがそうでもなかった。意外とすいすい入る。数秒経ったら、回転する仕組みになっている。その仕組みは嫌いだが、入るとなかなかすっきりする。
「よっ!」
 入った。よーし!この調子でクリアだ。
 ゲーム終了。何とかクリアできた。景品がころりと出てくる。おぉ。犬のキーホルダーじゃん!やった。メッチャ可愛い・・・!
「そんな可愛い顔で喜んでるとナンパしちゃうよ?」
 横からその声が聞こえる。横を見ると水谷が立っていた。
「もう私のこと好きじゃないくせに何言ってんの?」
「えっ?誰がそんなこと言った?」
「とぼけるなよ!この前そういったじゃんか!それに何なの?この間公園行ったとき超来て欲しくないような顔は!」
「それは・・・練習してるところを珠美亜に見られたくなかったから。かっこ悪いじゃんか?」
「かっこ悪くないよ!バスケ一生懸命やってかっこ悪い人なんていない!水谷は分かってないよ。・・・用は終わったから私は帰る。じゃっ!」
「待てよ!」
 水谷は私の手をつかんだ。そのはずみであたしは滑ってしりもちをついてしまった。
「ちょっと!尻痛いじゃん!」
 上を見た瞬間水谷に抱きしめられた。
「俺、珠美亜のこと大好きだ!あの時言った言葉はあきらめようと何度も思って決心して言った言葉だった。でも・・・あきらめきれない。」
 私はいきなり立った。今度は水谷がしりもちをつく。
「いてっ!」
「あ・・・ゴメン。・・・ちょっと考えさせて!じゃあね!」
「えっ?珠美亜!?」
 どきどきした・・・。あんなこと言われたりされたりしたのは初めてだったし。こっ恋じゃあないよね?
「よっ珠美亜!偶然だな。」
「ななな奈津姫!偶然だねぇ。ははは。」
「どうしたんだ?顔真っ赤だぞ?熱でもあるんじゃねぇか?」
「ないない!んじゃあね!」
 顔が真っ赤?これじゃ本当に恋してるみたいじゃん!
 家に帰ると母が帰ってきていた。そして見知らぬ女の人が居た。
母さんだれ??
あぁ。喘汰くんのお母さんよ。
「あの・・・。珠美亜ちゃん?」
「・・・はい。」
 聞かなくても分かるような気がするけど・・・。この人天然ぽいな。
「やっぱり!聞いたとおり、かわいいわぁ!」
「そんなことないですよ。性格なんて全然可愛くないですし。」
 お母さんが言うなよっ!
「あーっ!何で母さん来てんだよ!」
「喘汰。久しぶりっ!元気だった?お母さん心配で。どう?新しい学校は。」
「・・・まぁまぁ。」
「そう。あっお母さん達、隣に住むことにしたから!ちょうど隣空き家だったの!こっちに引っ越すつもりだったし。」
「はぁ?俺がここに来たのは珠美亜の父さんにバスケを教わるためだろ?」
 話が読めない・・・。どういうこと?
「そうだけど・・・でも、すべて教わったらまたもとの学校に戻らなきゃいけくなるのよ?長野に。」
 長野?・・・ここは愛知で。長野?
「くっ・・・。」
「母さん何のこと?」
「そういえば言ってなかったわね。お父さんね、昔プロのバスケットプレイヤーだったのよ。」
「えーっ?何で言わなかったの?」
「忘れてたんだもーん。」
 お父さんプロだったんだ。ちょっと嬉しいな。
「お父さんちょうどこっちに転勤することになったし・・・。いいでしょ?」
「うん・・・。」
 元気ないな。水谷。
「お母さん達これから出かけるから、留守番2人でしといて~。じゃっ。」
 母さん達は家を出た。水谷は下を見て黙っていた。
「元気ないね。どうした?」
「いや・・・。この家に珠美亜と一緒に住めないんだなぁと思って。何か淋しい・・・。」
「子供じゃないんだから~。・・・。」
 そういえばさっき告られたんだっけ。忘れてた・・・。
「返事・・・。」
「あ・・・返事いつでもいいからさ。早める必要はないよ。」  
 このまま、水谷のやさしさに甘えてほったらかしではいけないんだろうな。だったら言いづらくなる前に言っといたほうがいいのかもしれないな。
「私は・・・今どきどきしてる。これが何故だかわかんないんだよね。恋なのかそうじゃないのか。水谷に抱きしめられたとき、ちょっと嬉しかった。そしてどきどきした。私的には恋だと認めたくない。それは、今まで拒み続けてきた私が恥ずかしいから。でも、今思うと恋なんだろうなって。いきなりだし・・・何か言ってることおかしいけどさ、やっぱ恋なんだろうって思ったよ。」
「えっ!まじで?メッチャ嬉しいんだけど!!!これって付き合えるってことだよね?」
「まぁ。」
 そうだけど・・・。水谷と外歩いてたら絶対兄弟に見られるなぁ。まぁいっか!
 
「ねぇ!外行かねぇ?」
「いいよ!」 
 私達は外に出た。
「わぁっ!」
 思わず叫んだ。目の前には満開の桜の木。昨日は少し咲いてただけなのに。
「手つなごう。珠美亜!」
 私は少し戸惑った。そんな私の手を水谷は掴んだ。すると水谷は少し照れたようで、顔が真っ赤になった。・・・ちょっと可愛い。
「散歩・・・しようか。」
「うん!」 
 私達は近くの川の沿いを歩くことにした。ちょっと先に本屋がある。
「ちょっと寄るね。」 
 と水谷が言ったので本屋に入ることにした。私が取ったのは一冊の雑誌。適当にページを開いた。そこには『あなたはどきどきしていますか?』と一言。
「何読んでんの?」
 顔を覗かせた水谷にそれを見せる。私達は顔を見合わせて笑った。
「もちろん!だよね。」
 2人そろってそう言った。
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ははは
魅世
私はどきどきしてないなぁ。強いて言うならばハラハラしてるよ (泣
う~ん、水谷君くらいストレートに気持ちを伝えてくれると鈍い私にも分かっていいわねぇ。
・・・“寺辻”うける~ (笑
2007/04/07(Sat)14:34:52 編集
・・・
沙鞍
毎回思うけど、小説載せるの
メッチャ緊張する・・・。
これホントは載せずにやり直そうかな
って思ったんだけど、
面倒くさくてこれにした。
何かすいません・・・。

次、19でお願いします・・・。
(寿へ)
2007/04/07(Sat)15:39:43 編集
う~~
寿
ちょっと読みづらいから、読みやすくできるけど、どうする?沙鞍。
2007/04/07(Sat)18:17:39 編集
うん。
志李奈
読みづらい?てか、文字が小さすぎる気がするなぁ。
どきどきかぁ・・・。死体(←面白いからそのまま♪)なぁ。
寺辻いいねぇ。大大大大大~~~嫌い!
てか、体育の教師キノコか新しい先生だってぇ!!楽しみキノコよりましだといいなぁ!!!
2007/04/07(Sat)19:22:15 編集
いや・・・
寿
読みづらいってのは、文字の大きさの話しやって。
2007/04/07(Sat)19:47:12 編集
ほ?
沙鞍
寿べつにいいよ?
2007/04/07(Sat)20:38:56 編集
お久ですね。
茶々
寺辻…(●´-ω・)ン?

(  Д ) ゚ ゚
2007/08/13(Mon)15:11:16 編集
お久です~♪
魅世
茶々さんその反応は・・・
さては“寺辻”の意味知ってますね?
2007/08/14(Tue)09:08:11 編集
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