小説や詩を載せるブログです。基本的にはリックス学園の小説ですが、それぞれが“100のお題”についても書いているので、お時間があれば覗いてみてください。 E.M.W.という企画もやっています。 雑談もあります。
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プロフィール
HN:
Shafy Mile
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/12/24
職業:
学生
趣味:
物書き
自己紹介:
私たちShafy Mileは5人組みの素人小説家(?)です!
ではそれぞれの自己紹介いきましょう~!!

飴夜(いよ):絵を描くことが大好きでよくみんなからは「黒い」といわれてしまうが、自分では純白だと思っている奴~★
担当:絵(のちのち載せていきますよぉ)

沙鞍(さくら):いつも踊ってる陽気な奴~☆
担当:絵(のちのち載せます)と恋文

魅世(みよ):頭が良くて、いつもおしとや~かな奴♪
担当:文章(感動系ほかいろいろ)
 
志李奈(しいな):沙鞍と一緒にいつも踊ってるぶりっこな二重(多重)人格な奴☆(小説は黒いけど)
担当:ストーリーの構成&詩

寿(ことぶき):頭が良いのか分からない、変態な奴。
担当:文と企画。
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 この世に神様は存在するのでしょうか。そう考えたところで答えが分かるわけもなく、証明することも出来ません。誰かの心の中だって、覗くことができないのですから、本当にこうだとか違うだとか、それを確かめるすべはありません。
 それでも、今年も変わらず、春はやってくるのです―。

 公園に、一本の桜の木がありました。ずっとずっと昔から、毎年、春になるとたくさんの花を咲かせていました。
 今年も、暖かい春の日差しの中で、桜のつぼみが少しずつ、ふっくらとしてきました。
 神様が、ちょこんと、その木の枝に腰掛けました。風がさーっと吹き、女の子がやってきました。

 両親は仕事だし、誰もいない家に帰るのが億劫で、駅から出ると、家とは反対方向の公園へ向かった。
 今日は高校の合格発表日。私は一応、合格した。そう苦労しないでも入れるレベルのところを受けただけだから、さしてうれしくもない。でもまあ、解放感はある。
 公園の真ん中にある桜の木の下に腰を下ろし、空を見上げた。
 本当によかったんだよね、これで。
 何事もなかった卒業式。ただ普通に時間が過ぎていき、みんな、いつものように帰っていった。まるで明日も、またこの場所で会えるかのように。
 もう、一生会えない人も、あの中には、いたんだろうなあ。改めてそう感じた。
 ふと、ある人のことを思い出した。結局、はっきりとは伝えられなかった。伝える、というほどのことではなかったけど、せめて・・・。
 そう考えて、慌ててその考えを追い払った。だめだ、そんなふうにしてはいけない。
 もう一度空を見上げる。そこには、ただ青い空があるだけだった。

 しばらくして、女の子は立ち上がり、公園を出て行きました。神様は近くの枝を、手でやさしく包みました。手を離すと、つぼみがふわりと開き、薄いピンク色の花が咲きました。小鳥が飛んできて、歌を歌いました。神様は目を閉じ、それを静かに聴いていました。
 やがて、小鳥が飛んでいくと、今度は男の子がやってきました。

 特に残念とも思わないが、結果は不合格だった。もともと、受かったら奇跡と言われていたところだし、はっきりいってどうでもよかった。
 ふと、心の片隅に、ある同級生の顔が浮かんだ。
 結局、あれっきりだったな。
 あれ以来、何も無かった。ごく平凡に、中学校生活は終わった。今度さっそく同窓会があるみたいだが、俺は参加しないつもりだ。いつまでも卒業気分に浸っていても、仕方がない。それにしても・・・。
 あれで終わりなら、礼くらいは言っておくんだった。
 少しだけ後悔した。まあ、いまさらどうにもならないのだが。
 見上げると、桜の花が一輪、青空をバックに咲いていた。

 男の子も去っていくと、神様は片手をぐるりと大きく回し、円を描きました。すると、まだ固く閉じていたつぼみが一斉に開きだし、あっという間に桜は満開になりました。

 ある日の夕方、私は晩ごはんにする弁当を買いに出かけた。お父さんとお母さん、今日も遅いだろうなあ。そんなことを考えながら、公園の前を通り過ぎようとした。ふと、この前見た桜の木を見上げた。
 うわあ、満開だ。
 私はこの間と同じように桜の木のそばまで行き、その幹に手を当てた。そのとき、後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。

 塾に行く途中、自転車で公園の前を通り過ぎようとしていると、桜が満開になっていることに気づいた。この前見たときはまだ一輪しか咲いてなかったのに。俺は思わず自転車を止めた。
 そして、木を見上げているあいつを見つけた。

 神様がうたた寝から目覚めると、木の下に男の子と女の子がいました。この前見たあの子たちです。神様は近くに咲いていた桜の花を一つ手に取ると、ふうっと息を吐いて飛ばしました。

「うっす」
「やっほ。久しぶり」
「そんなに久しぶりってわけでもないけどな」
「そういえばそうだね」
 そんな他愛のない言葉を交わしながら、私たちは木の幹にもたれかかり、いつものように笑いあった。
 彼は少し上の方を見ると、少しまじめな顔をして言った。
「この前、ありがと」
「ああ、うん」
「・・・嬉しかったから」
「そっか。よかった」
 頭上から、桜の花が一輪落ちてきて、彼の肩の上に乗った。
 私はそれを取り、そっと自分の手に乗せた。少しの風でも簡単に飛ばされてしまいそうなくらい小さな花が、私の手の上で咲いていた。私はそれを手のひらに乗せたまま、もう一度木を見上げ、言った。
「もう満開だね」
「ああ」
 彼も腕を組んで桜を見上げた。
 何となく、そこには神様がいるような気がした。

 二人は歩き出し、公園から出て、それぞれ反対の方向へ別れていきました。神様はそれを見届けると、天へと戻っていきました。

 それから何回も何回も季節がめぐり、今年もまた春がやってきました。公園の桜のつぼみは、だんだんとふくらみはじめました。
 向こうの方から、公園の前の道をこちらへ向かって歩いて来る人がいました。反対側にも、こちらに近づいてくる人影が見えます。
 二人は、神様の座っていたその桜の木の方へ、ゆっくりと、近づいてきました。
                                                【終】

※誰がどう言おうとこれは「証明」の作品です。ははっ。それから、寿へ。次は49番でお願いします。

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わぁお
沙鞍
めっちゃいい話じゃん!
でも、男の子も女の子も
誰かに似てるよぉな…。
気のせいか。

今度の作品も楽しみにしてます!
私も書けたら書きます。
では。
2008/03/19(Wed)09:12:25 編集
ありがと~
魅世
沙鞍も書いてね~!!すごく楽しみだよーっ。

誰かに似てる?モデルはいないつもりなんだけど・・・誰?
2008/03/19(Wed)15:47:48 編集
無題
飴夜
久々に来たぁ!

魅世・・・
あなた文章能力ありすぎるよっ!
めっちゃいい話ゃん♪
ちょい感動しちゃったw

ボクも『方程式』書かなくちゃ~・・・。
2008/03/19(Wed)19:20:47 編集
ありがと②
魅世
方程式がんばってねー★
それはそうと高校落ちてしまいましたわ~
私としては第二志望の方が自分にあっているとはうすうす感じていたけど…応援してくれた皆さま本当にごめんなさい!!こっちの高校なら成績には多少余裕があるのでこのおわびに小説どんどん書きますね~
2008/03/21(Fri)11:56:44 編集
まじっすか。
小説の書きすぎですヵ。
そうなら私のせいっすよね。

それはそうと、幸さんは受かってましたってょ。
2008/03/21(Fri)13:27:11 編集
いえいえ
魅世
まああの小説書いてよかったと思うし。親とも多少けんかしたけど。
親「受験前に何しとんだーっ!」
私「少なくともこのせいで落ちても後悔はしないから!!」
親「ああ、そうか…。そうだな」
     【けんか終了】
幸さんおめでとーっ♡
2008/03/21(Fri)13:45:07 編集
えええ・・・。
志李奈
どんな親だょ・・・。
まぁ、しぃサマもずーっと遊んでましたヶド。
2008/03/21(Fri)19:48:05 編集
いえいw
沙鞍
私も、公立受かったよ。
奇跡的に
でも、これから勉強大変だぁ
2008/03/24(Mon)11:37:30 編集
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