明くる日の放課後。生徒会会員は、“初まりの部屋”に集っていた。
咲&美:「え~~~~~~~~~~~~~!?」
俐:「・・・・・うるさいぞ。もう少し落ち着いて聞いてくれ。」
窓硝子が震える程の大声に、俐羽は眉根を寄せた。それというもの、今朝方に1年生の子が一人消失したという事項を、報告しただけだった。もっとも、俐羽にすれば、だが。
聡が人にだすものに疎いため、また出された炭酸に泥酔している優歌を除いて、話はすすんでいった。
俐:「ともかく、前に渡した資料にあったように、この事件は連続で、しかも学園内な
ら無差別に行われる。防ぐための原因究明を急いでいる。だから、諸君には、自
己の防衛を優先しつつ、最大限の努力を期待している。」
美&咲:「はいっっ!!!」
咲乃が敬礼の真似をしているのをみてとると、俐羽は口の端を緩めた。
床に何かが落ちた音がすると、そこに、俐羽が呆れたように視線を送る。視線の意図に気付き、聡は、床に卒倒している優歌をソファに寝かせた。
聡:「もうそろそろ解散なんだけど、今日は集団で下校しようと思うんだ。良いか?会
長。」
俐:「ああ。それでは、少々待っていてくれ。」
椅子を離れて奥へ入っていく。変哲も無い行動にすら感じられる、その流麗さに、またしても美希たちは呆けることとなった。
聡:「相沢さん、みんな帰るんだと。早く起きないとおいていかれるよ。」
みかねた咲乃が優歌を揺すった。酔いは醒めたらしく、咲乃の手を肩から除くと、本を取り出した。まだ心配な咲乃は優歌を眺めるようにして見ている。
優:「心配無用。」
とだけつぶやいてそれっきり、本に視線を落としたままだった。時計の長針が30°ほど動いたところで、俐羽が戻ってきた。
俐:「待たせたな。帰るぞ。」
ごく自然に鞄を置いていくので、慌てて聡が運ぶ。ついでとばかりに、後輩3人のものも担ぐ。
優&美&咲:「ありがとうございます。」
三重の黄色い声に照れつつ、手を振って応対した。
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